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ムード・インディゴ うたかたの日々 (2013)

L'ECUME DES JOURS/MOOD INDIGO

監督
ミシェル・ゴンドリー
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3.19 / 評価:197件

解説

作家やミュージシャンなどとしてマルチに活躍したボリス・ヴィアンの傑作小説を、『エターナル・サンシャイン』などのミシェル・ゴンドリー監督が映画化。肺の中にスイレンの花が咲く病にかかった女性と、彼女を救おうと奔走する青年の切なくも美しい愛を描く。カクテルを作るピアノや恋人たちを運ぶ雲など、原作の独創的な世界観をゴンドリー監督ならではの遊び心あふれるセンスで映像化。出演は、『タイピスト!』などのロマン・デュリスと『アメリ』などのオドレイ・トトゥ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

仕事をしなくても生活できる財産があり気ままに生きていたコラン(ロマン・デュリス)は、純粋なクロエ(オドレイ・トトゥ)と付き合うことに。その後、友人たちに見守られながら結婚した二人は幸福に満ちあふれた生活を送っていたが、ある日クロエが肺にスイレンが咲くという奇病に侵されてしまう。ばく大な治療費を稼ぐために仕事をし始めたコランの人生は徐々に狂い出し、クロエも日増しに弱っていき……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Brio Films - Studiocanal - France 2 Cinema All rights reserved
(C)Brio Films - Studiocanal - France 2 Cinema All rights reserved

「ムード・インディゴ うたかたの日々」原作者の無邪気な感性を、ゴンドリーは遊び心たっぷりに映画へと翻訳

 「人生で大切なのは綺麗な女の子との恋愛と、デューク・エリントンの音楽だけ。あとは消えてしまえばいい、醜いから」。粋人だったボリス・ビアンが序文にそう書いた摩訶不思議な小説は、自由な発想に満ちた、幻想的な青春恋愛小説。この作家とミシェル・ゴンドリー監督の感性が同じ種類のきらめきをもっているということは、両方の作品に親しんだ人なら誰も否定できないんじゃないかな?

 ふたりの作家に共通する美質は、創造性に満ちた想像力にある。発明家的な発想力と言い換えてもいい。ビアンの描く世界は、現実の世界とは違ったユニークなモノや生き物でいっぱいだ。これを具現化するのに、ゴンドリーは遊び心をめいっぱい利かせたアイデアで勝負する。あくまでもアナログなガジェットには、ゴンドリーが「僕らのミライへ逆回転」でもテーマにした「モノ作りの楽しさ」があふれ、こうでなくちゃと思わせる。まさに忠実な、映画への翻訳。主人公のコランを理解するハツカネズミ、パイナップル味の歯磨き粉を求めて蛇口から現れるウナギ、弾く音によってカクテルを調合してくれるカクテル・ピアノ、そして足がびよんと伸びるビグルモアなるダンス……。無邪気な感性の産物に、ワクワクせずにはいられない!

 しかし、主人公コランが恋して妻になったクロエが「肺に睡蓮の花が咲く」奇病にかかると、世界は無邪気さと色を失い、ただただ不条理と狂気へと転じていく。このコントラストも詩情も残酷さも、見事に美しい。若くない主役コンビのキャスティングは少々残念だが(若いころなら完璧)、原作への深い愛情が脈打つこの映画を、ビアンも蛇口から現れたくなるくらい喜んでいるに違いない。(若林ゆり)

映画.com(外部リンク)

2013年10月10日 更新

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