レビュー一覧に戻る
スティーブ・ジョブズ
2013年11月1日公開

スティーブ・ジョブズ

JOBS

1272013年11月1日公開

ibu********

4.0

会社経営のドロドロした話を夢が駆逐する

そういう心地よさを感じる映画だった。 ただし、アップル・コンピュータの最大の功労者は、この映画の主人公ジョブズではなく、彼の最初からの相棒であるスティーブ・ウォズニアックであるというのは、ワシの年代のIT業界人なら誰でも知っていること。 この映画の中ではウォズと呼ばれているヒゲ面の太っちょウォズニアックは、狡猾なジョブズとは違い、真に技術を愛した善人なので、個人的にはジョブズよりもウォズニアックの伝記映画を作ってほしかったんだけど、彼の性格から言って、そんな話が持ち上がっても拒否するだろうから未来永劫見られない気はするね(^^;;;;; この映画、タイトルに書いたとおりの痛快さを感じながらも、登場人物各々の性根なんかも表現してあって、ジョブズを美化しすぎてないところは好感が持てる。 アップル社の最初の2台のコンピュータ(Apple?、Apple?)は、ほとんどウォズが一人で開発したものだってのもわかるし、アタリのブロック崩しゲームの改良をやったのも実はウォズ一人なのに、ジョブズはもらえる金が5000ドルなのに700ドルと偽ってウォズに350ドルしか渡さなかったという狡猾さも表現してある。 ただ、この映画では、まるでジョブズ(実際はウォズ)がブロック崩しゲームを作ったように表現されているけど、本当はブロック崩しゲームの部品点数の削減を依頼されただけね。 その後もジョブズが、女性に対して冷淡だったり、一緒にアップル社の元を作った人たちに、アップル社が株式公開したときに一株も渡さないなどのひどい扱いをしたりと、決して褒められるような人格の持ち主じゃないことも表現されている。 なお、この映画では出てこなかったけど、ウォズは、株式公開時にアップル社の社員に自分の持ち株を一人最大2000株まで買えるようにして、儲けさせたらしい(もちろん、ジョブズと他の役員は誰にも自分の株は渡していない)。 でも、ジョブズも、その底には商売よりも理想を愛するところがあるってのも伝わってくるので、そこんところが見ててとても痛快で心地よい。 それだからこそ、彼の信奉者が多くいるわけで、iMacをデザインした人物もそうだったというのは、なんかちょっと感動する。 パソコンの歴史みたいなものも見られるのも、この映画の興味深い部分だね。 ただ、現在のWindows OSが搭載されているパソコンのほとんどが、「IBM PC/AT互換機」と呼ばれるもので、その元祖「IBM PC/AT」は、アップルのマッキントッシュと同じ1984年に発売されたんだということは入れて欲しかったなぁ、と個人的には思うねえ。 その「IBM PC/AT互換機」も、日本では、それまでハードウェア依存だった漢字変換を、ソフトウェフで変換できるDOS/VというOSが登場するまで、NECのPC9801/9821シリーズ、通称「PC98」の牙城を崩せずに苦戦してたってのも、なんか懐かしい話として思い出したよ。 まあ、日本のことなんでこの映画にはなんにも関係ないけどね(笑) そんなわけで、夢を追った人間が商売ばかりを考える人間に対抗していく、痛快な成り上がり話として単純におもしろいけど、周りの人間の扱われ方や対応なんかを細かく見てると、さらに面白がれる映画だな~と思った。

閲覧数926