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スティーブ・ジョブズ
2013年11月1日公開

スティーブ・ジョブズ

JOBS

1272013年11月1日公開

バツイチ王子

4.0

個性的ジョブズが無難に描かれるもどかしさ

電車でボブ・ディラン聴きながら、ネットでジョブズを調べ さっき見た「JOBS」のレビューを、iPhoneに書き貯める PCも含め、革新的なデバイスが生活や仕事を劇的に変え しかも最近、凄い効能に気がついた 10カ月の息子がグズっててもiPhone渡すと泣きやむのだ それを産み出した、スティーブ・ジョブズ 彼が友人と、ガレージからアップルを立ち上げ 失脚という紆余曲折を経て、iMacを作成する手前まで描かれる 個性があるAPPLEのデバイスが好きなことに加え アシュトン・カッチャーがジョブズに成りきって 食生活までトレースする気合の入れ具合に、腹が決まった こいつは一刻も早く、本作を観てやらねばと そんな風に過大な期待を込めたが 飽きることなく、鑑賞することができた 活字やYoutubeでしか見られない彼が、生き写しに再現される また有名なエピソードがいくつも散りばめられ、リアルに感じられた ただ、社内の権力闘争を軸に描かれ ジョブズの才能というか、魅力が見えにくい ジョブズの駆け引きは存分に見られる スカリー(演じるのは、すっかり歳を食ったマシュー・モディンだ!)や マイク・マークラとの権力闘争は面白すぎだ 逆に素晴らしいデバイスを産み出す過程や それをひねり出すジョブズの才の表現や、製品の凄さやこだわりの表現が薄い 話が人間関係に傾倒しすぎて、物足りないのだ ジョブズを少しばかり知っていたせいか あれもこれも描いて欲しいとつい欲張りにさせられたか オープニングは、髪の薄いジョブズがiPodの紹介を行う いきなり魅せたのが、ジョブズを演じたアシュトン 前かがみな歩き姿や仕草など、かなり研究が伺え思わず唸る この後、この姿のジョブズが出てこないのが残念だ そして前半、スピリチュアルな世界をなぞり、盟友ウォズと協業する これより、独善的でエゴイストなジョブズの時間だ 理想に妥協しない完璧主義の塊は、緊張感を蔓延させる それはあの「ソーシャルネットワーク」のザッカーバーグを彷彿させる 二人とも大学中退、完璧主義者、若くして成功、着る服がいつも同じ そんな共通点を感じた では、なぜそんな彼に人が集まるのか、APPLE製品の何が凄いのか この辺りが判りにくい 序盤の彼は、常にイライラしていて勝手なやつ 意にならないと、即座にに切り捨てる怖さが際立つだけ 自分を貫くことはカッコいいが、いい製品作れてこそのことだろう せめて Apple?、iMac、iPod、の特徴くらいは説明が欲しい GUI作成の秘話など、もっと彫り込んで欲しかった 後半は、APPLEを離れたジョブズを描く もう一度挑戦者として戦える創業した会社で また活躍する姿のサワリを見せる あれほど怒りまくった男の顔が、大きく変化するのは注目だ しかし「トイ・ストーリー」など名作産んだピクサーや ビル・ゲイツとの駆け引きなど、やっぱり描かれない部分が多い 彼のクリエイティブさ、マッキントッシュやリサの開発細部 またiMacもデザインの先、iPod登場もプレゼンの先など 伝説のスタンフォード大学卒業式のスピーチも、観たかった 比較的良かったのは、iMacのデザインについて デザイナーのジョナサン・アイブとやり取りをする部分 彼の製品に対する姿勢と、若手デザイナーに未来を感じる描写がいい そしてさあこれから!というあたりで、映画は終わりとなった しかし散々愚痴ったが、書いて欲しい部分が多すぎて どう考えても尺が足りない 連続ドラマにでもしないと、盛り込めそうもない ジョブズやAPPLEの持っている強烈な個性に比べると、映画は無難だ それらしい雰囲気は作られているだけに、実に惜しい それでも、やりたいこと自分の直感に従い 他者の意見に惑わずそれを貫き通す、ジョブズの肝は感じられた 全くぶれない一貫した信念、そこに妥協しない勇気には恐れ入る その息吹を感じられた分、物足りないと溢しながらも楽しんだよ “Stay hungry, Stay Foolish” ハングリーであれ、バカであれ

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