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夢と狂気の王国 (2013)

監督
砂田麻美
  • みたいムービー 62
  • みたログ 219

3.06 / 評価:218件

すべてを撮ろうとして何も撮れなかった映画

  • shi***** さん
  • 2016年1月20日 23時08分
  • 閲覧数 1740
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

『夢と狂気の王国』という挑戦的なタイトルをつけたことからわかるように、監督はジブリの不都合な部分まで映し出すべくカメラを回したつもりなのだろうが、
ジブリ鈴木氏がこの作品につけたのは『ジブリにしのびこんだマミちゃんの冒険。』という、幼い子供を褒めるような、もっと言えば、“完全にナメた”キャッチコピー。

監督は攻めた映像作品を作っていたつもりであったが、実際は鈴木という釈迦の掌の上で、人畜無害な映像をただ撮らされていただけという事であろう。
つまり、この映画のコンセプトは完全に失敗したと言わざるを得ない。

画面に映し出されるのは、今までたくさんのメイキングや関連書籍で描かれてきたような人間・宮崎駿のイビツなまでの情熱や葛藤ではなく、お客様向けの温和な好好爺の宮崎駿のみ。
のこり大半を愚にもつかないOLのブログのような、夕暮れや並木や猫の映像で埋めるという残念な構成。
その景色や光の美しさを讃える声も他のレビューにはあるが、あくまでそれは添え物であり、映画自体の評価を変えるようなものではないと思う。

NHKの密着が撮った『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』のメイキングのほうが二人の夢と狂気がほとばしっていて、それに振り回される王国民(スタッフ)たちの苦労が見れるというのが皮肉である。

あまり男尊女卑的なことを持ち出すのは気がひけるが、取材対象への踏み込みが甘く、すぐポエトリーに逃げるという「女性監督特有の悪い部分」というものが集約されてしまったような映画である。
いままでジブリを取材したディレクターたちのように、取材対象に嫌われても構わないという覚悟や、真剣にモノを作る人間同士の葛藤に美を見出そうという感性がこの監督にあったとは思えない。

この映画に、過去に出たジブリのメイキング系映像にはない価値を見つけるのは難しい。

詳細評価

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