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マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 (2012)

LOVE, MARILYN

監督
リズ・ガーバス
  • みたいムービー 40
  • みたログ 94

3.56 / 評価:63件

モンローファンなら泣けます。

  • shinnshinn さん
  • 2021年1月14日 7時13分
  • 閲覧数 220
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

マリリン・モンローに興味がなければ、退屈なドキュメンタリーです。


映画は1962年8月5日、自宅のベッドの上でモンローの遺体が発見されるところから始まる。検死の結果、死因は睡眠薬の多量摂取による自殺。一番始めに<モンローの死>があり、幼少期に戻るので、映画の構成が死に向かってのカウントダウンに感じるような、もの悲しい演出になっています。プロセスのどこかで、ひとつでも歯車が違う動きをしていたら或いはと、観客は感じざるを得ない。<36才の早過ぎる死>という、悲劇的な終焉へと確実に向かって行きます。


ノーマ・ジーン(後のマリリン・モンロー)は1926年にロサンゼルスに生まれる。父親は蒸発、母親は精神を病み精神病院へ。幼少期を里親と孤児院を転々として過ごしている。安らげない彼女の不安定な精神がすでにうかがい知れる。彼女は「経験から、人は自分しか愛せないと知っている」と語っている。孤独感が深くて可哀想だ。


16才のときに一度目の結婚。すぐに別れて子供の頃からの夢、女優を目指す。這い上がるための当時の常識、プロデューサーとの枕営業も恥じてはいなかった。「自分が寝なきゃ、次の子が順番を待っているだけ」と言っている。有名になりかけの頃、若いときに撮った男性雑誌のヌード写真がスキャンダルになる。会社は別人だと否定しろと言ったが、彼女はマスコミに若くて一文無しの無名時代に、女優を夢見て50ドルで芸術に協力しましたと正直に答え、それが返って大衆からは好意的に受け止められ益々、有名になります。決して街中でスカウトされ、トントン拍子でスターになるようなシンデレラストーリーではない。努力と根性で這い上がっているのだ。


興味深かったのは夫との関係性が詳細に見えてきた事です。二人目の夫・ジョー・ディマジオ(ヤンキーのスタープレーヤー。モンローが彼の偉大さをどこまで理解出来ていたかは不明・笑)と三人目の夫・アーサー・ミラー(劇作家でインテリ。学歴コンプレックスのモンローには、それを補ってくれるような尊敬できる存在なのかも)。イタリア系のディマジオはモンローを心から愛していて、家事と育児の専業主婦になってもらいたい。「七年目の浮気」(55)の撮影現場にいたジョー・ディマジオは、沢山の見学者の前で、地下鉄の排気口から吹き出す風で白いワンピースがめくれ上がる妻を見て大激怒し、その場を立ち去っている。モンローは「いい女優になりたいし、幸せになりたい」と極めて難しい事を言っている。女優業を捨てられないモンロー。結局、専業主婦にはなれず離婚を選択する。一方、インテリ作家のアーサー・ミラーはモンローとの結婚を売名行為に利用した可能性があると指摘されている(モンローに無断で、マスコミに婚約を発表しています)。後にモンローはミラーが心の中では自分を馬鹿にしていると知り不眠症になる。これが睡眠薬の乱用へと繋がるのだ。尊敬している男から愛して貰えなかったモンローはミラーとも別れる事になる。


お色気たっぷりで頭の弱い馬鹿みたいな役しか回ってこない事に嫌気がさしたモンローは、演技の基礎が学びたいとロサンゼルスのアクターズスタジオに入学する(すでに有名な大スターが入学するのは極めて異例)。後に主催者のリー・ストラスバーグが彼女の演技の精神的な支柱になる。ストラスバーグはモンローに「役者はしっかりと役を自分で咀嚼してアプローチすべし」、「決して監督の言いなりになってはいけない」と言う。これが後にモンローと数多くの映画監督との軋轢を生むことになる。アクターズスタジオで演技を学んでから出演した「バス停留所」(56)の芝居は確かに悪くない。もっとも、色っぽく頭の弱い役は格別だ。むしろ真骨頂だ(笑)。


私生活で傷つき、女優業でも絶えずジレンマを感じるモンロー。専属医師に半ば騙されるように精神病院に連れていかれるモンロー(極度の落ち込みで自殺を危惧してのことらしい)。独房のような病院でパニックになるモンロー。ミラーは黙って見ていたが、ジョーは救出に動いた(別れても心から愛していたのだろう)。ここで完全に睡眠薬依存を断ち切っていたらという意見もあるのだが、運命の綾というやつだ。


遅刻や集中力の欠如など、なかなか進まない撮影。映画制作者とのトラブルになるモンロー。未完に終わった最後の映画「女房は生きていた」撮影時、マディソンスクエアガーデンで行われるケネディの誕生祝賀会に行くため、無断で現場を離れたモンローをFOXはついにクビにする。


ますます、精神が不安定になるモンロー。専属セラピストはモンローの気分を害さないように、言いなりで薬の処方箋を出していた。そして、運命の1962年8月5日を迎えることになる。ハリウッドの大成功者の最後としては、あまりにも寂しい。


モンローと自分の共通点が一個だけある。24.5。足のサイズです。

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物語
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