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アメリカン・ハッスル (2013)

AMERICAN HUSTLE

監督
デヴィッド・O・ラッセル
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3.38 / 評価:1,521件

解説

1970年代後半のアメリカを揺るがした政治家などの収賄スキャンダル、アブスキャム事件を題材にしたサスペンスドラマ。自由と引き換えに、FBIが仕掛ける悪徳政治家検挙を狙ったおとり捜査に協力させられる詐欺師たちの姿を、スリリングに映し出していく。メガホンを取るのは、『世界にひとつのプレイブック』などのデヴィッド・O・ラッセル。『ザ・ファイター』などのクリスチャン・ベイルを筆頭に、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスら、実力派スターが結集してクセのある登場人物たちを熱演する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、その相棒で愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。彼らはFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、無罪放免を条件におとり捜査への協力を持ち掛けられる。それは、架空のアラブ人富豪をダシに、カジノ利権に群がる政治家やマフィアを一網打尽にするというもの。アーヴィンとシドニーは、標的のカーマイン市長(ジェレミー・レナー)に近づくが、二人の仲を嫉妬(しっと)するアーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)がおとり捜査の邪魔をする。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013CTMG
(C)2013CTMG

「アメリカン・ハッスル」すべてが誇張されていた時代に愛欲と物欲が複雑にもつれ合う

 1978年秋、マンハッタンの〈サックス・フィフス・アベニュー〉で私は革のトレンチコートを買った。明るいチョコレート色で裏地がゴールド。東京では5回しか着られなかった。

 「アメリカン・ハッスル」を見ていたら、あのコートを思い出した。映画に出てくる服や髪型が、どれもこれも異様に大げさなのだ。服や髪だけではない。態度も言動も、すべてが滑稽なほどに誇張されている。しかも力いっぱい。そうか、「サタデーナイト・フィーバー」や「カジノ」も70年代が背景だったか。

 「アメリカン・ハッスル」の主役は詐欺師の男女だ。カツラのアービン(クリスチャン・ベール)と偽英国女のシドニー(エイミー・アダムス)は会うなり恋に落ちて、すぐさま犯行を重ね、たちまちFBIの手先になる。ふたりに指示を与えるのは、母親と同居し、髪にカーラーを巻いている捜査官のリッチー(ブラッドリー・クーパー)だ。そういえば、アービンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)の髪はドーム状に盛り上がっている。こちらは受動的攻撃人格の神経症ビッチ。

 そんな連中が入り乱れて、「スティング」を思わせる罠を張る。狙いは悪徳政治家の摘発らしいが、露骨な物欲と複雑な愛欲がもつれにもつれて、話は錯綜をきわめる。市長(ジェレミー・レナー)はとんちんかんな行動に走るし、リッチーはシドニーに惚れるし、ロザリンはマフィアの幹部と怪しくなるし……。

 監督のデビッド・O・ラッセルは演技のアンサンブルを作り出すのが得意な監督だ。ただ、今回のテーマは「この役者たちでどんな話ができるか」ではなく、「この話からどんな芝居を引き出せるか」だったのではないか。俳優陣も期待に応える。とりわけ印象に残ったのはアダムスの多面性だ。脚本の力もあるが、スクリューボール・コメディとマクベス夫人を合成させる技量は強く眼を惹いた。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2014年1月23日 更新

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