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THE ICEMAN 氷の処刑人 (2012)

THE ICEMAN

監督
アリエル・ヴロメン
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3.27 / 評価:173件

解説

実在した殺し屋リチャード・ククリンスキーの姿を描いた、実録クライムサスペンス。家族に殺しの仕事を隠し通し、100人超を葬ってきた彼の20年を追う。監督は『ザ・カオス』のアリエル・ヴロメン。『マン・オブ・スティール』のマイケル・シャノンが、良き家庭人にして冷酷な暗殺者でもある主人公を熱演する。また、『若草物語』などのウィノナ・ライダー、『127時間』などのジェームズ・フランコら、実力派が脇を固める。事実は小説よりも奇なりを地で行くリチャードの人生に、ただただ驚かされる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1960年代、アメリカ・ニュージャージー州。愛する妻と2人の娘に恵まれ、幸せに満ちあふれた日々を過ごしているリチャード・ククリンスキーには家族も知らない恐ろしい秘密があった。誰の目から見ても良き家庭人である彼の正体は腕利きの殺し屋で、捜査のかく乱やアリバイ工作のために命を奪った者を冷凍保存し、死亡日時をずらした上で遺棄することからアイスマンの異名を持っていた。約20年間にわたり、100人以上の人間をあやめてきたリチャードだったが、1986年に逮捕されてしまう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2012 KILLER PRODUCTIONS, INC.
(C)2012 KILLER PRODUCTIONS, INC.

「THE ICEMAN 氷の処刑人」大男の殺し屋と70年代の風景。奇妙な馴染み方が胸騒ぎを呼ぶ

 生来の殺人鬼がマフィアの殺し屋に変身する。そう聞けば、通常は不穏な予感を覚える。血のオペラや、複雑なトラジコメディを予想してもおかしくはない。無慈悲や冷血や非情は、さまざまなドラマの種になる。

 では、その殺し屋が異様なほど家族思いだったらどうなるか。当然のことながら、彼は二重生活を送る。妻と娘を溺愛しつつ、冷酷な殺人を黙々と重ねる。

 ご承知と思うが、「The Iceman 氷の処刑人」は実話をベースにしている。主人公のリチャード・ククリンスキーは、1935年に生まれ、2006年に死んだ。身長195センチ、体重135キロの大男で、1986年に逮捕されるまでに多くの殺人を繰り返した。犠牲者の数は、100人とも250人ともいわれる。

 そんなククリンスキーの役を、マイケル・シャノンが演じる。大男というのも重要な条件だが、シャノンには、見る者の記憶にからみつくような特徴がある。眼の色素は淡く、沈着と逆上が紙一重で、腹の底が読めない。

 監督のアリエル・ブロメンは、そんな男を1970年代のニューヨーク界隈に放つ。そう、タイムズ・スクエアにポルノショップが林立し、ニュージャージーにもマフィアがうごめいていたあの時代。

 ブロメンは、その時代を劇的に描かない。話の間口を狭め、画面の彩度を落とし、テレビ・ドキュメンタリーを思わせる淡白な語り口で描いていく。ただ、テレビとちがって、「世界の汚れ」が深い。ククリンスキーの「ビジネス」と茶褐色の背景も、奇妙に馴染む。彼の個性が立つのではなく、その非情がむしろ時代に吸収されることで、見る者の胸がざわざわと騒ぐのだ。脇を固めるクリス・エバンスやロバート・ダビの存在も、胸騒ぎを増幅させてくれる。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2013年11月7日 更新

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