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劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹
2014年3月8日公開

劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹

PG12872014年3月8日公開

しんのすけ

2.0

ネタバレいろいろ惜しい

かつて、乙女ゲームが映画化までこぎつけた作品があっただろうか。 そういう意味で薄桜鬼はスゴイと思えるが、 それと映画の完成度は別で、いろいろ惜しいと言わざるをえない。 製作者は「鬼を描きたかった」らしいが、それが歴史をおざなりにして良い理由にはならない。 こういう映画だから、観客の性質として「ゲームをプレイし」、「TVアニメ版を見ている」という大前提はあるにしろ、それでも切ってはいけないものもある。 鳥羽伏見の戦。第一章のラストでもあるが、あの戦で新選組は負け、賊軍となるという結末は観客の誰もがわかっている。 わかっているのだが、そこが新選組の絶望のはじまりであり、またそこから這い上がろうとする彼らの生き様こそが儚く美しいのだ。 本編の冒頭ではその絶望のはじまりが無く、なぜかすでに洋装を着用しており、なんかよくわからないが負けそうになって揉めている新選組。 永倉いわく「根性だけで勝てる時代は終わった」。 それを知らしめた戦こそが鳥羽伏見であったのに、そこが描かれなかった。 そして、その被害者として山崎丞がいる。彼はその死すらスルーされている。あまりにもかわいそうではないか。 サプライズ的に龍之介なんて出さなくていいから、山崎に死に場所を与えてやってほしかった。(龍之介は嫌いではないけれど) あとは、死ななくてもいい人が死んで、死んだ方がいい人が生きていたり、鑑賞後になんとなくモヤモヤしてしまった。 風間さん、あんたのことですよ。 風間は好きだ。全キャラ中いちばん好きだ。だから、入場特典が風間になる今週まで待っていた。 なのに、土方に負けて去っていく姿がものすごくカッコ悪かった。 (幸せになれよ)ってカッコよく去ったつもりかもしれないが、カッコ悪かった。 どうせなら綺麗に死んでほしかった。 「お前はこれ以上苦しむ必要はない(うろ覚え)」の辺りはカッコよかったのに。 戦闘シーンもよかったのに。 フラれた上、ライバルに負け、あとどこへ行くんですか。次の嫁候補もいないのに。 そういえば千姫出てこなかったな。 今後も気が向いたら千鶴を奪いにいくつもりかもしれません。 あと原田がどこに死亡フラグ立てていたのかわかりませんでした。死ぬ必要あったんでしょうか? おそらくですが、斉藤がいちばん美味しかったような気がします。 彼はTV版でやらなかったことを平然とやってのけました。 斉藤のキャラは今まで何とも思ってなかったけど、その生き様に惚れました。 沖田だけは無念のまま散ってしまって可哀相だった。スタッフは沖田に恨みでもあるんでしょうか。 言いたいことは、こんなところかなあ。 千鶴よかったね、みたいな。土方の目、金色になってたから本当の鬼になれたんですね、とか。こりゃ感想じゃなくて解説か 平助とか山南さんにはあまり興味ないので…あれでよかったんじゃないかな、と思う。 総じて、どのキャラのファンもあまり得しない内容に思えた。 新選組のだれもが、新選組という組織のためにしか戦っていない。 そうではなくて、新選組として戦った末(あるいは未来)に何を見つめているのか、彼らのそういう思いを描いてほしかった。 でなければ、隊士たちは千鶴と土方をくっつけるための道具にしかすぎなくなってしまう。 (原作ゲームの風間ルートや、黎明録の芹沢ルートでは、新選組の思いがすごく伝わってきて、感動もした。) 映画では、限られた時間の中で各キャラに見せ場を作らなければいけないので難しいとはいえ、(頑張ってはいたが)もうすこし上手くできなかったものかと感じました。 まあ初見なので、2度3度みれば感想も変わるかもしれませんが。 ただ、他のレビューで見る「背景が良い」とか「音楽が良い」はほめ言葉だと思いません。 そういうレビューに限って脚本についてあまり言及されておらず、他に誉めるところがないと言っているようにも受け取れますので…。 とりあえずキャラ作画は一章と同じくけっこう崩れてました。前よりはマシに見えるけど、やっぱり引きの絵がまずい。 結論としては、ネタ的にはまあまあ楽しめたし、酷評するつもりはないけど、手放しで良いとも言えなかったので、星ふたつです。 一章はけっこうよかったのになあ。 以上。 ゲーム全ルート、アニメ全シリーズ視聴済みな30代半ばのオッサンが見た感想でした。

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