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少女は自転車にのって (2012)

WADJDA

監督
ハイファ・アル=マンスール
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3.94 / 評価:156件

トイレで試着するなんて…

  • 一人旅 さん
  • 2018年3月3日 1時29分
  • 閲覧数 470
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

ハイファ・アル=マンスール監督作。

サウジアラビアを舞台に、憧れの自転車を手に入れるため奮闘する少女の姿を描いたドラマ。

サウジアラビアの女流監督ハイファ・アル=マンスールによる“社会派+成長ドラマ”の傑作で、イスラム戒律の遵守が時に厳しいサウジアラビアを舞台に、10歳の少女:ワジダが、近く学校内で開催される“コーラン(聖典)暗唱大会”で優勝し、その賞金で憧れの自転車を購入するため奮闘する姿を映し出しています。

イランの巨匠ジャファル・パナヒが『チャドルと生きる』(2000)においてイラン女性の抑圧された性を描いたように、本作では同じくイスラム圏の代表国サウジアラビアに生きる女性の不自由と苦しみをサウジ出身の女性監督が虚飾抜きに浮き彫りにしてみせています。イスラム社会において“女性の権利の希薄さ”は永遠のテーマです。本作のような作品を観ていつも思うのは、イスラム社会にとって女性は“男性が管理し所有する存在”に映ります。サウジアラビアは男優位社会の極致で、一夫多妻制はもちろんのこと、成人女性は街中を歩く際にアバヤという全身を覆う黒服を着用しなければなりません。家族以外の男性の近くでお喋りすることも憚れますし、夫に男性の来客があった際には妻はその場に同席せず、キッチンで料理を作って部屋の外に置きます。完全な給仕係です。妻が男性の来客と混じって食事を共にすることは許されないのです。

本作は、サウジアラビアに生きる女性が強いられる日常の中の様々な不自由を描きつつ、“女性が自転車に乗る”というイスラム社会的に好ましくない些細な夢を叶えるべく奮闘する少女の姿を丹念に見つめています。宗教は生きる上で不可欠な心の拠り所ですが、その一方で宗教がもたらす不自由と向き合いながら少女は成長を遂げます。開かれた道路に立つ少女の晴々とした表情が未来への希望を象徴しているのです。

イランの風景は映画を通じて良く目にしますが、サウジアラビアの風景はなかなかお目にかかれません。そういった意味でも本作は貴重であります。案の定、街中を走るのはトヨタ車が圧倒的に多いですし、ショッピングモールにはアバヤ以外のファッショナブルな洋服まで売っていることが判ります(女性用試着室が完備されていなくて、少女の母親が店のトイレで試着するシーンに唖然とします)。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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