あらすじ・解説
パリ在住の小説家ジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘を伴いギリシャでバカンスを過ごすことにする。同時にシカゴでジェシーの前妻と暮らす息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)も呼び寄せる。彼らは共に海辺の町で夏休みを過ごした後、ジェシーはハンクを空港まで見送るが……。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(114件)
- par********
4.0点
唐突的な終わりを遂げたSunset。その後、どうなったのかが次第に明かされていく。息子のハンクを愛しながら、離れ離れに暮らすジェシー。どうやらあの後、パリに居座り、セリーヌと毎日のように愛し合い、妻と離婚し、双子の娘までできてしまっていたことが明らかになっていく。しかし、ハンクの近くに住むためシカゴ行きを説得するジェシーと、日々の子育てに忙殺され、自分の時間が持てないセリーヌの間には隙間風が。モーパッサンの「女の一生」的なテイスト。 セリーヌの辛辣な言葉は、現代の男性には、もはや当たり前になりつつある。しかし、少しヒステリックで、不安定、一度火が付くと止まらないようなところがあって、あの魅力的な女性は、どこに行った感が拭えない。彼女は、自分の夢が実現できないこと、自分の生きたいように生きられないことに焦りと苛立ちを感じている。 ただ、結婚して母になって、子どもを育てるってことは、そういうこと。女性は、優秀な遺伝子をもった男性を、直感、本能のうちに求め、安心感や経済力を持つ男に自分を委ねる。しかし、核家族的な生活の中、この多忙な時代に、夫婦二人だけで、家事、育児をこなすのは、かなりの無理な犠牲が伴うのも確か。 女性がやりたいことを抱え、自己主張するのが当たり前になって、セリーヌのこの罵詈雑言はリアルさを増している。恋愛、再会、結婚のあるあるを二人の会話で、生きたドラマ仕立てにしているのが売りの作品。だから、夫婦のあるあるで、喧嘩やら言い争いを描くのもありだが、もう少し別な終わり方があったのではとも思う。セリーヌの不安定さから、もう少しジェシーの言葉に、昔の記憶が呼び起こされて、泣き崩れるって感じが良かったかな。 恋愛が成立するって、妄想できるかどうかなのかもしれない。相手のことがわからないうちは、ドキドキして、すべてが新鮮。一緒にいる時間が長くなって、お互いの反応が当たり前になってくると、嫌に思えるところが鼻についてくる。最後、タイムマシンで未来からやってきて、今日が一番特別な夜、一番素晴らしいセックスができるって、告げにくるって、やっぱり妄想の力。妄想、言い換えれば、夢を見る力を取り戻して、二人の仲は、融和を取り戻していく。恋愛は、妄想力なのだ。 と同時に、大切なことは、リアルさの中にある真実の愛であることも示唆されている。ジェシーの言葉に、それは表されている。目の前にいる自分が、真実の愛を持っていること。80歳の妻のケツを素敵だと思えることなどなど。 招かれたギリシアの作家との昼食会で、年寄りからの含蓄のある言葉が、意味深だと思った。何十年も寄り添い、触れるだけで安心できていたって。 それが夫婦の最後の姿なのかもしれない。そこに至るまでには、まだ時が必要ということか。 そんな夫婦になるには、どうしたらよいのだろうって、身につまされた。
- go_********
5.0点
本日ミッドナイト、続々編があるのを知り、早速DVDを購入しました そうですよね、あのままで終わったら消化不良起こしますよね 届くのが待ち遠しい、とても楽しみです こういう映画を日本でも作って欲しい 会話的に難しいかな?? 前作に心底引き込まれ、もう何回観たかわからないぐらいです、素晴らしい映画です 最初バタイユ出てきてるんですから
- chi********
5.0点
ネタバレ18年かけて、この3作目のために
このレビューにはネタバレが含まれています。 - nab********
5.0点
相変わらず二人の会話だけで物語が進んでいくのが何とも素晴らしい。 この第三部の良さはある程度の経験を経て、大人になってからじゃないとほんとの意味では理解できないよなぁと感じた。 なので、第一部のような理想的な恋愛模様を期待してた人には少し物足りなかったのかもしれない。 だが、そういう人たちもきっと色々と経験を経て成長してから観るとまた違った捉え方ができるはずだ。 どれだけロマンチックな出逢いであろうと、ずっと一緒にいれば言い合いになるし喧嘩もする、何処にでもいるありふれた夫婦像をリアルに表現しているのがとても素晴らしい。 どれだけ喧嘩しても結局また仲直りして離れられないのが夫婦なんだよなぁとそう思わせてくれる作品だった。 これもある種のロマンチック。
- mko********
5.0点
本三部作は好き嫌い別れるでしょうけど、うまくまとめた傑作です。人生のそれぞれのステージで考えること、直面する問題が変化し本当に見応えのある三部作でした。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
LA批評家協会賞第39回