マスターピース!五つ星です!
- Shoko さん
- 2020年4月23日 20時56分
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昨夜、ビフォアシリーズ三作目のビフォア・ミッドナイト(2013)をみました。
1995年の一作目で20代の2人が出会って、2004年の二作目で30代になった2人が再会してやっと愛を成就することができて、あ〜、いいお話だなぁと思ったうえでの、今回2013年の三作目。
あれほど恋焦がれた2人が一緒になることができて、それからまた9年たつとどうなるのか。
なんだか嫌な予感がしたんだけど、やっぱり〜。
役者さん2人も物語とともに年をとる。そこまでリアリティを追求しているだけに、今回も苦しいほどにリアルです。
監督や40代になった2人の、自分たち自身の経験や見聞きした事実をもとに脚本を書いたのでしょうね。
見ている私も思い当たるような、身につまされるような、2人の感情の流れ。
これは自分の人生で二作目以降の経験をしていない人にはわからないかも。
すごいな〜。この映画体験は現代アートのようだ!
一作目でとても美しかったジュリー・デルピー。
二作目の30代になっても、イーサン・ホークはとてもやつれていたけれど、彼女は「私は前と変わった?」と自信たっぷりで彼に聞くくらいに、魅力的だった。
この二作の、一番綺麗だった時には脱がなかったのに、三作目の40代になってヌードを披露。
40代の、子供を産んで体の線が崩れた女の現実をあえてみせる勇気、その役者魂にリスペクトです。そこまでしてリアルな夫婦関係をみせてくれた。喧嘩のあげく、こんな風に終わっていくカップルは世の中にたくさんいるんだと思うし、それに簡単な解決をみせるわけでもない製作者の姿勢。でもひとつの提案、希望も与えてくれるラスト。う〜ん、見事です。私は本当にうなりました。
それにしても出会って、愛しあって、子孫を残してって、それは生物すべてがおこなうことで、それで完結することなのに、人間だけがそこでは終われない、もっともっといろんなことが必要で、いろんなことを求めてしまう生き物。知的な生命体であることには痛みや苦しみが伴いますね。これは楽園にいたアダムとイブが知恵の実を食べてしまったから?
ビフォアシリーズがマスターピースであることがこの作品でよくわかりました。
あと2年したら三作目製作から9年目になる、、。私たちは50代になった2人をみることができるのでしょうか。
五つ星。
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