ここから本文です

祖谷物語 -おくのひと- (2013)

監督
蔦哲一朗
  • みたいムービー 55
  • みたログ 134

2.92 / 評価:111件

みんな「おじい」が大好きだ

  • aki***** さん
  • 2014年2月23日 14時37分
  • 閲覧数 1474
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 この映画を見ると無性に(田舎の)お爺ちゃん・
お婆ちゃんに会いたくなる。例え彼らが亡くなっていたと
しても。特に地方から都会に出てきた人なら尚更だと
思う。普段は何も言わないが、温かい眼差しで自分を
見守ってくれ、事ある毎に御方してくれた祖父母の姿を
「おじい」に重ね合わせた観客は拙者だけではあるまい。

 舞台は徳島県西部の祖谷地方。木々が生い茂る四国山地の
絶壁に、戸数が少ない集落が散在する
 夏は万緑、秋は色とりどりの紅葉を楽しめるが、冬は雪が
降り積もり一面の銀世界と化す。少し開発が進んだが
今もなお「秘境」と呼ぶに相応しい自然を保っている。
 
 物語は現代の祖谷に暮らす春菜(武田梨奈)の
高校時代から20代中頃までの日常を淡々と描いている。
 彼女は、おじい(田中泯)と2人暮らしだ。何てったって
このおじいが凄い。人との接触を極力避け、地元の人でも
立ち寄らない森の奥に住み、電気・ガス・水道無しの
家で暮らし、狩猟と畑作でほぼ
自給自足の生活をしていた。そんなおじいを彼女は
心底愛していた。実はこの2人、血の繋がりはない。
雪山で遭難していた赤ん坊だった彼女を
おじいが救い出し、今日まで男手一つで育ててきたの
だった。彼女自身、その事実を知っている。村の人たちも
知っていて、彼女の事を陰で「おおかみ少女」と呼んでいた。
人付き合いが苦手なおじいだったが、娘の学費を賄うため、
切ってきた木材を頭を下げて製材所に買ってもらっていた。
 春菜は、おじいの生き様から、自然の神々しさや、美しさ、
そして残酷さを学んでいく。
 やがて春菜は岐路に差し掛かる。教師は成績優秀者の
彼女に大学進学を勧めたが、おじい一人だけを
残して村を出るわけにはいかない。様々な感情を飲み込んで、
決断を下した彼女に、突然、巣立ちの時が訪れる。
それまで生きてきた世界とは正反対の、人と人とのエゴが
激しくぶつかり合う世界に飛び込み戸惑う春菜。
「あれは昔の自分だ」と彼女を見て思った観客もいたに
違いない。

その旅立ちは偶然のように見えたが、拙者はおじいの
強い意志が働いたのではないかと感じた。

外に出ていた春菜を出迎えるおじいを見て、何故だか
自分もホッとしてしまったという観客も多いはずだ。
視終った後、遠く離れて暮していたり、既に天国に逝って
しまったりした祖父母に元気をもらったと感じ、
自らを支えてくれた彼らに恥かしくないように
前へ進んでいこうと思える映画だった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ