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祖谷物語 -おくのひと- (2013)

監督
蔦哲一朗
  • みたいムービー 55
  • みたログ 134

2.92 / 評価:111件

したたかなリズム

  • ori***** さん
  • 2014年5月2日 17時28分
  • 閲覧数 1126
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

時間の流れが場所によって変わるのは何故なのだろう。
この映画の中の時間の流れは、東京で暮らす自分が感じている感覚とは明らかに違う。
都会には都会の、海に囲まれた島には島の、木々に囲まれた山には山の時間の流れがあるのだろうが、山の時間の流れを作り出しているのは、もしかすると木々の生きるリズムと関係があるのかもしれない。
日本中を見渡しても、なかなか見つけることのできなくなった「森と共に生きるリズム」、時に眠気を誘う心地よい時間の流れがここにはある。しかし、そんな山奥にも都会のカネの流れがトンネルの向こうから流れこむ…。そしてきっと、トンネルを越えるまでもなく、こんな山奥にも福島の原発からは放射性物質が少なからず飛んできていることだろう。もはや地球上に人間の手の及ばぬところなどなくなってしまった。
とはいえ、放射性物質に遺伝子を傷付けられながらも、森はこの先もずっと同じリズムで生きてゆくだろう。森は強い。しかし、人はどうだろうか。人はこれからもさらに速さを増し続けるだろうカネのリズムに振り回され続け、はたして生き続けることができるだろうか…。
福島の原発事故で、自分は「国破れて山河あり」から「国破れて山河もなし」の時代へ入ったと思ったが、それは自分の認識違いなのかもしれない。多少の突然変異にも臆することなく、森はこの先もずっと、この一定のリズムでしなやかに力強く生き続ける。
この映画はそんな、したたかでしなやかな森のような生き方を、我々人間も取り戻すことができることを思い出させてくれた。今からでも決して、手遅れではないのだということを。

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