切なくて、でも滑稽で。
- 映画のこづち さん
- 2013年10月29日 22時48分
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少し荒い、でも細い字体のタイトルが海辺風景にいきなり「ド~ン」と登場するのが好き。BGMもいいなぁ。
まぁ~、切ない恋もあれば「プッ!」な妄想もあり。
ふた股解消したい映画監督と彼女たち、ほかにもその監督を好きなままの女性の彼氏(ややこしぃな)・しかし彼はある日別の女性に一目惚れ。
DV被害にあいながらも婚約中の元アイドルと、彼女を想い続けるファン。
「ちゃんと好き」ってどういうこと?な群像ストーリー。
登場人物は、男性が姓で女性が名なのかと思いきや、“Bon”は愛称ぽいし“宗”は名前ぽいので、ちょい例外があり統一性がないのは故意なのか恣意か。監督の過去作品知らないので、もしかしたらいつもこんな設定なのかな。
どーでもいいことだが、私は気になる(主人公のマンガチックな髪もなんなんだ?)。
前半は人物相関を追うため熱心に見たが少し退屈。しかし映画監督:柏木の友人の朝日が登場してからおもしろくなった。私の知人にはいないのに、表情や話し方が「いるいる、こういうヤツ!」となぜか親近感を覚えるのだ。
柏木が彼女に「(浮気相手のほうと)別れてくる」といいつつ、なんともいえない展開に。そして朝日が約束の海へ向かうと同時に、さまざまな恋も集約されてクライマックスへ。
ひとりだけ、想われ対象にはなってもコイバナはない、ふわ~んと宙に浮いたような女子が準主役ぽくて、でも唯一“恋・恋”してない彼女の存在が作品を引き締めているように思う。「誰かが誰かを好きで、その誰かが…」がここでストップしている。しかし彼女は何も考えていないわけじゃないのだ。だから“恋”に関する疑問を投げかける。
ちょっと切なくて、他人事だから滑稽で。なかなか楽しい映画だ。
(東京国際映画祭P&I上映で鑑賞させていただきました、ありがとうございました。)
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