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アイム・ソー・エキサイテッド! (2013)

LOS AMANTES PASAJEROS/I'M SO EXCITED!

監督
ペドロ・アルモドバル
  • みたいムービー 70
  • みたログ 246

2.75 / 評価:135件

シュールかつナンセンス

  • 文芸サロン さん
  • 2014年1月30日 18時13分
  • 閲覧数 709
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

 スペインは第二次世界大戦に参戦せず、このために敗戦国とはなっていない。しかし戦時中に独裁政権を確立したフランコ総統はいうまでもなく親ナチスの人物であった。これとあわせてカトリック教会への批判精神が根強い。フランコ政権下で亡命したスペイン映画の巨匠ルイス・ブニュエルはそうした人物のひとりであった。
 ペドロ・アルモドヴァルの映画にはおそらくブニュエルの反骨精神が投影されている。彼とともにスペインを代表する監督アレハンドロ・アメナーバルの「海を飛ぶ夢」は、自殺を禁じたカトリック教会の教えへの反抗を通じて、教会の権威に挑戦するかのような作品であった。
 そうしたカトリックへの反骨新はアルモドヴァル作品では常にといってもいいほど濃厚である。というのも彼自身、少年時代にミッション・スクールで生活して嫌悪感を抱くようになったという経験がある。このテーマは「バッド・エデュケーション」の中で再現されている。
 しかし本作にはそうした権威批判とか、殆どの作品で提示されているフェミニズムといたテーマが取り上げられていない。それどころか本作はかつての彼の作風とは大きく異なる、コメディーである。それも風刺や批判精神を露骨には見せないところが特色だ。
 実は作品の中にはスペイン社会への言及はあるのかも知れない。だがそれはスペイン人でないとわからないものなのだろう。それ以上に映画には随所にナンセンスやシュールなギャグが盛り込まれている。即興的で開放的な雰囲気なのは、これまでの作品とは違った制作態度でのものと思われる。
 むろん、だからといって風刺がないというのではない。ゲイばかりのキャビン・アテンダントは、カトリックへの反骨だ。元SM女王だったという乗客には、権威への批判精神がこめられている。とはいえそれらは露骨にすぎて風刺としては鋭さに欠けるきらいがある。
 ワン・シチュエーション・コメディーという手法をそれなりにまとめ上げたのはさすがといえる。決して良作とはいえないが、黙殺するには惜しい魅力もある。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • パニック
  • コミカル
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