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エージェント:ライアン
2014年2月15日公開

エージェント:ライアン

JACK RYAN: SHADOW RECRUIT

1062014年2月15日公開

しいちゃんのパパ

3.0

△並のアクション映画に成り下がった△

今作の原作者であります、 T・クランシーの小説の特徴と言えば、 現在の世界情勢や実在する兵器を基に、 もしもの仮定で、シミュレーションとして、 ストーリーを緻密に練り上げ、 国家間の緊張の世界を創りあげ、 相手の真意が読めない、先が見えない、 面白さが原作の世界観であり特徴であると思います。 そして、もう一つは、T・クランシーの 創作キャラである、ジャック・ライアンの活躍ぶり。 ジャック・ライアンの経歴をはじめとしったキャラや CIAの枠を超え、世界を股にかけた活躍ぶりを通し、 アメリカ流の正義、愛国心、アメリカ人の理想の姿を描いています。 とは言え、膨大なスケールかつ、情報量をもった原作を、 映画化するというのは並大抵の事ではありません。 増して、原作に出ている実在の国を舞台にした映画化となると、 当然、槍玉にあげられた国の抗議が来るのは必至でしょう。 例えば、『日米開戦』、『合衆国崩壊』、『米中開戦』とかの 映画化をしたなら、あの国、この国からの かなりのブーイングが来るのは必至でしょう。 更に、残念なことに、 昨年末に、T・クランシーは急死してしまい、 新しいジャック・ライアンシリーズは見ることはできません。 おまけに、ジャック・ライアンは原作では大統領を務め、 引退生活をして、一応の区切りがついており、 ライアンシリーズ原作の映画化というのは、更に難しい問題でしょう。 そういう事情を考えると、再び映画化しようとすると、 原作での映画化は困難であり、 原作で創造したジャック・ライアンを、 原作にないオリジナル・ストーリーで 映画化するというのは当然の流れでしょう。 とは言え、今作は、公開期間中、観賞しませんでした。 というのも、映画の概要からして、アクション中心の映画で、 映画館で観たい映画なのかという疑問があったからです。 とは言え、ライアンシリーズのファンとしては、遅ればせながら、 先日、DVDレンタルで今作を観賞しました。 結論から言えば、それなりに、面白い映画です。 監督である、ケネス・ブラナーのテンポのいい演出で、 CIAチームの諜報活動のスリル感、フォーメーションの上手さ、 怒涛のライアンの分析シーンから始まる後半戦は見応えがありましたし、 今回の敵であるヴィクトル・チェレヴィン(ケネス・ブラナー)の 不気味な存在感もよかったです。 今回の目的である、経済テロは次世代の戦争の姿を暗示し、 ありえるかもしれないというサスペンス感がありました。 ラストのエピソードは、今までのジャック・ライアンシリーズに対する、 オマージュと写り、粋なエンディングで好印象でした。 とは言え、今作は、残念ながら、敢えて☆3つとします。 というのも、映画全体から滲みでる重さが感じられないからです。 T・クランシー原作の面白さの一つに、 国の対立やイデオロギーを通じ、緊張感、非常さ、虚しさが、 アクションとは対峙して、重みとなり、 作品全体の質を上げてきたと思います。 残念ながら、今作ではアクション重視となり、重みがなく、 普通のアクション映画としか見えませんでした。 そもそも、スケールがでかく、 緻密で膨大な情報量で、T・クランシーの原作を、 そのまま、エンタメとして変換して映画化するのは不可能です。 2時間程度で、T・クランシーの世界観を抽出し、 同時にエンタメとして見せる映画職人は、 ハリウッドでは今のところ、中々居ないということでしょう。 全米では、公開1週目の興業成績は4位という不本意な結果で、 過去のジャック・ライアンシリーズの映画では最低の興業収入だそうです。 その理由もなんとなく解ります。 見たいのはアクションではなく、 T・クランシーならではの世界観・奥深さ・重みを求めているのでは ないかと思うのです。 次回作はあるのか、現時点不明ですが、 もし、次回作が製作されるのなら、 今作の路線踏襲では、ジャック・ライアンのイメージに、 更に、傷が付くのは間違いないでしょう。

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