ここから本文です

ミケランジェロ・プロジェクト (2013)

THE MONUMENTS MEN

監督
ジョージ・クルーニー
  • みたいムービー 386
  • みたログ 1,744

2.98 / 評価:1,238件

解説

『オーシャンズ』シリーズなどのジョージ・クルーニーが、製作・監督・脚本・主演をこなした実録サスペンス。第2次世界大戦末期を背景に、ナチスドイツに奪われた美術品を取り戻す命令を下された者たちの姿を活写していく。『ボーン』シリーズなどマット・デイモン、『アビエイター』などのケイト・ブランシェット、『ロスト・イン・トランスレーション』などのビル・マーレイら、実力派スターが共演。彼らが繰り出す重厚で濃密な物語もさることながら、戦下での壮絶な戦闘を描写したアクションも見もの。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーの命を受け、ドイツ軍は侵攻した欧州各国の美術品を略奪。それに強い危機感を抱くハーバード大学付属美術館の館長ストークス(ジョージ・クルーニー)はルーズベルト大統領を説得し、美術品や歴史的建造物を保護する部隊モニュメンツ・メンを結成する。中世美術に精通したグレンジャー(マット・デイモン)や建築家キャンベル(ビル・マーレイ)などのメンバーを集め、ヨーロッパ各地を奔走。だが、劣勢を強いられて自暴自棄になったナチスや、妨害しようとするソ連軍が彼らの前に立ちはだかる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

「ミケランジェロ・プロジェクト」ハリウッド歴代戦争映画の舞台を辿る、新しい戦争映画のフォルム

 日本公開が危ぶまれた注目のジョージ・クルーニー監督×脚本×主演の戦争映画は、しかし、過去のどの戦争映画とも趣きが違う。戦闘シーンが皆無なのだ。クルーニー演じるハーバード大学付属美術館長、ストークスが招集した美術専門家集団

のミッションは、ナチスが略奪した美術品の奪還。すでに終戦間際、奪い去られた名画や彫刻の行方を追って、激戦の爪痕が残る戦場や最前線を転々とする彼らのロードは、描き尽くされた第二次大戦を独特の視点とタイミングで切り取って新鮮味がある。

 例えば、1944年6月に連合軍が上陸を完了し、今は役目を終えた兵器が横たわるノルマンディの浜辺に探索チームが呆然と降り立つシーンは、時系列で言うと「プライベート・ライアン」(98)の約1カ月後。その後、ヨーロッパ内部に分け入った面々が合流するのは、1944年12月にナチスがアメリカ軍に大攻勢を仕掛けた「バルジ大作戦」(65)の戦地、ドイツのアルデンヌや、それから3カ月後、再び米独が激突したライン川に架かる唯一の橋「レマゲン鉄橋」(69)だ。

 つまり、実戦経験ゼロの専門家たちが、美術品を探しながら必然的にハリウッド歴代戦争映画の舞台を辿る、というのがプロデューサーも兼任するクルーニーが狙った新しい戦争映画のフォルム。その狙いは当たっているし、人命と同等に尊い美術品への愛憎を、略奪という歪んだ形で実現しようとしたヒトラーの蛮行を、知的財産としての映画に命を捧げるクルーニーが改めて告発したかった気持ちがよく分かる。旧知のマット・デイモンからクルーニー組初参加のビル・マーレイまで集めた「オーシャンズ11」(01)的チームワークプレイも、それなりに旨味を発揮していることも付け加えておこう。(清藤秀人)

映画.com(外部リンク)

2015年11月6日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ