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FLU 運命の36時間 (2013)

THE FLU

監督
キム・ソンス
  • みたいムービー 50
  • みたログ 331

3.68 / 評価:253件

マクロ視点とミクロ視点のバランス良い傑作

  • ta7******** さん
  • 2014年2月6日 15時20分
  • 閲覧数 1201
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 超ド級とはこのことで、パンデミックの恐怖を巨大スケールの映像で描き切る。もちろん話が大きいゆえ、ご都合主義のツッコミ所も満載だが、パニックモノにありがちな、マクロ視点とミクロ視点のバランスがツボにハマり、緊迫感を維持し続け、近年まれにみる上出来作品となった。

 ベトナムからの不法難民に端を発し、ソウルの衛星都市と思われる人口46万人と言う城南市盆唐区を舞台に急速に鳥インフルの新種が感染を拡大してゆく状況に、地下鉄工事の穴に車ごと落下し途中でひっかかった女と救助するレスキュー隊員とのラブコメでも始まるのかしらんと思わせる定番ドラマが絡む。例によって折角助けたのに、強気の女は目もくれず、男だけがのぼせ上がる。映画の発端だけかと思ったらなんと全編この愛の行方がウイルスパニックの騒ぎに最後まで尾を引く巧妙な脚本が見事。

 この2人に女の子供を加えた三人が、映画全編のキーマンとして違和感無くリードロールを果たすまとまりの良さ。そのために、女の子は感染するも男と女は何故か感染せず、幾度となく離れ離れとなりつつも、群衆やら、死体の山やらの中から不思議と再会を果たすなどの違和感もさして気にならない。さらにレスキュー隊員の先輩にコメディリリーフとしてのブ男が随所で緊迫画面を和らげ、さらに発端の難民の唯一の生存者と密輸に絡んだ運び屋の右往左往もサブストーリーとして絡ませる。

 そして、いよいよパンデミックとなった時点で医師団から主導権が政治家に移りクライマックスに突入する。ポイントは感染をどこで食い止めるか、抗体は可能なのか、感染していない者の処遇、感染者の処分、それらの群衆のデマが輪をかける。そんな状況への判断を為政者に委ねられる。国民を守るのか、都市を守るのか、ソウルを守るのか、国を守るのか、そして世界を守るのか。およそ危機管理の手順に学んだのか、刻一刻と状況変化に応じ、政治家のパワーバランスが移ってゆく様を活写する。街を脱出しようとする群衆とそれを阻止する政府側+軍隊との息詰まる攻防が恐ろしい。

 罪もない国民を容赦なく同国軍隊が狙撃するのだから。その判断に登場するのがまず地区選出の国会議員、そして首相、そして大統領、さらに米国と、克明に描くのに驚愕する。颯爽と登場する大統領に超イケメンが登場し、稚拙な首相から横暴な米国をやり込めるあたりは喝さいもの。拡大を危惧し爆撃機の出動までする米国に「盆唐に入った途端に我が対空ミサイルにより米国爆撃機を撃ち落とす!」と言い切るイケメン大統領はかっこ良過ぎ。

 医師なのに我が子だけは助けたい我が儘な母親により、結果的に抗体が出来上がり、事態は収束に向かい映画はそこで終わるが、実際のところ市民を殺した為政者やら、生きたまま焼き殺された事実と言い、後処理の地獄が透けてみえる。

 で、主人公のレスキュー隊員を演ずるチャン・ヒョクですが、まるでチョン・ウソンそっくりで、弟かしらんと思う程、口をとんがらせるあたり瓜二つ。端正な二枚目タイプではないが、ウソン同様超かっこいい。「英語完全征服」のころはもっとイモっぽかったんですがね。それにしても大掛かりな撮影でどこまでCGなのかさっぱりですが、街中のパニック描写ならびに感染者焼却場と化したスタジアムなど、ハリウッドなみのスケールで、邦画ではとてもとてもの凄まじさです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • 恐怖
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