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大統領の執事の涙
2014年2月15日公開

大統領の執事の涙

LEE DANIELS' THE BUTLER

1322014年2月15日公開

ryo********

4.0

ネタバレ父と子の関係について、個人的に思うこと。

良い映画だと思う。 奴隷の子が大統領の執事にまで出世するサクセスストーリー。サクセスストーリーとしてはちょっと地味だけど。 人種差別の問題が、実在の人物を登場させ、実際にあった事件を絡めて描写され、ぐいぐい引き込まれる。ほんの50年前まで、アメリカってこんなに野蛮な国だったのか、と衝撃を受ける。 素直に観れば、良い映画だと思う。 素直に観られない、個人的な理由がある。 主人公のサクセスストーリーと人種差別問題の他、この映画のもうひとつの柱は、父子関係だ。 ぼく自身も息子として生きてきて、そして、息子を持って父となったわけだが、はたしてこの映画のような父子の相互理解のようなことはあり得るのだろうか、と考えてしまう。 長男は父親への反発から、公民権運動にのめり込んで行く。2020年の現在(映画公開時の2013年でも良いが)から振り返れば、公民権運動は正しい活動だった。黒豹党に深入りしなかったことも含めて、息子は常に正しい選択をした「ヒーロー」だった。 そのあたりが、仮に実話だったとしても、あり得るのかってくらいなご都合主義に思えてしまうのだ。 我々の時代に置き換えると、カルト教団への入信だろうか。 子がカルト宗教にハマったら、親は、この映画の主人公と同じような態度で息子に接するのではないだろうか。 公民権運動は「正しい」選択。カルト教団への入信は「間違った」選択。子の視点からは大違いかも知れないけれど、親視点からすれば、そんなのただの運じゃないのか。 というわけで、素直に観られないのは、個人的な事情です。はい。

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