作品レビュー(2件)
- bakeneko
5.0点
ネタバレConnections♡
このレビューにはネタバレが含まれています。 - eig********
3.0点
スティール写真だけ観て、なんとなく『血を吸うカメラ』とか『モデル連続殺人!』みたいな、猟奇性の強いサスペンスかと思っていたが、ふたを開ければ大変堅実でよくまとまった、捜査系ノワール・サスペンスの佳作だった。 主人公の刑事はしゅっとしてそこそこ魅力的だし、てきぱきとしたドキュメンタリータッチの捜査展開と引き締まった演出、奥行きのあるモノクロームの画面、いい感じに挿入されるおてんば女性記者とのやり取りなど、総じて楽しく観られる。ラストのビルの上下構造を利用した追跡劇も見どころだ。 雨の日にこだわるシリアル・キラーが相手ということで、土砂降りのなかでの追跡劇や、美貌の女性記者が狙われたり囮になったりといった王道展開も期待したが、そのへんのいかにもやりそうなところはさらっと躱されてしまった。 それはそれでいいのだが、終盤にさしかかるやいなや、かなりストレートな形で容疑者の居場所がわかり、しかもほとんど悶着なくそいつが真犯人だと確定するのは、どうもふつうすぎて「それだけかい」といった印象も。 本作の売りであるマネキンのダミーが、そこまで捜査の役に立っているように思えないのも辛いところ。マネキンを用いた観客向けのこけおどし×2も、ちょっと滑り気味だったような……w。 たしかに「例の」ショックシーンは目を引くけど、「どうやってマネキンとすり替わったか」「なぜ犯人はあんなことをしたのか」については、僕の観るかぎりちゃんとした説明はなかった気がする。 そもそも僕にとって最大の謎は「四つ星雑誌がなぜ犯行現場に遺されていたのか」で(少なくとも絶対置き忘れたりはしない代物だ)、これが犯人検挙の大きな証拠になるのだからとても重要な要素だと思うのだが、こちらも観ていてよくわからなかった。なので、本作の逮捕に至る過程についてはしょうじき評価しづらい。 あと、殺人鬼「ジャッジ」の動機やトラウマ、犯行経緯、被害者選別の理由などがあまり語られないのも、80年代以降のサイコ・サスペンスに慣れ親しんだ人間にとっては少し食い足りない印象を残す。 よく引き締まったフィルム・ノワールらしい佳作ではあるが、比較的安易に妥協したシナリオでもあるような。 ちなみに「ジャッジ」の手口として言及される「後ろから両手で首を絞める」って、意外にどうやるのかよくわからんね(笑)。
スタッフ・キャスト
人名を選択するとYahoo!検索に移動します。