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そこのみにて光輝く (2013)

監督
呉美保
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  • みたログ 4,413

4.01 / 評価:3456件

深い余韻が残る、心を揺さぶられる作品

  • のんのん さん
  • 2014年4月24日 23時05分
  • 閲覧数 8124
  • 役立ち度 82
    • 総合評価
    • ★★★★★

評価の高い作品で、主演が綾野剛さん、
ヒロインに池脇千鶴さんという事で、
とても期待をして、観に行きました。

原作は、函館出身の作家佐藤泰志さんの、同名小説。

舞台は、夏の北海道函館。

ある出来事で、仕事を辞め、トラウマになり、
酒浸りの、自堕落な日々を送っていた達夫<綾野剛>は、
パチンコ店で、拓児<菅田将暉>と知り合う。
そして誘われるままに、拓児の家に行くと、
そのバラックには、脳こうそくで寝たきりの父親、
父親の世話で疲れ切った母親、姉の千夏<池脇千鶴>がいる。
そして、達夫と千夏は、しだいに惹かれあうようになる。

千夏は、昼間はイカの加工工場で働き、夜は家族のために
お金を稼ぐため、売春行為もしている。

もがきながらも、底辺の生活から、なかなか這い上がれない哀しさ。

綾野剛さんは、お酒は「達夫を生きるための安定剤」と言い、

健康的な顔では、この役はできないと、監督の了承を得て、
ロケ地の函館では、毎晩お酒を飲んでいたそうだ。
でも逆に達夫は、真面目でまっとうな人なので、
「家族を持とう」と思ってからは、一切お酒を口にしなかったはずと、
ここは、徹底させてその差をみせなければと、
ついさっきまで、酔っ払いの顔をしていたのに、
今度は、お酒が残っていない顔にしなければいけなくて、
大変だったそうだ。

綾野さんの役に対する真摯な姿勢が、伝わってくる。


達夫と千夏の、濃厚なラブシーンは、嫌らしい感じじゃなくて、
二人の愛がとても感じられて、ステキだった。

ひとつひとつのシーンが、小道具を含めて、
とても丁寧に、描かれている。


綾野剛さんは、静かだけど情熱を感じる演技が、とても良い!
男の色気を感じる雰囲気に、グッときた♪

池脇千鶴さんは、情感あふれる演技で、体当たりの熱演!

そして、特筆すべきは、自分の中でノーマークだった
菅田将暉さん、今までとは全くイメージが違い、
弾けた明るさの中に、寂しさを感じる、
粗野で純粋な拓児を、見事に演じ切り、感嘆!

★綾野さん、池脇さん、菅田さんが、本当に素晴らしい!★

脇を固める、火野正平さん、高橋和也さん、伊佐山ひろ子さんも
味のある、演技で良かった。

「暗闇にある人でも、ちゃんと朝が来て、日は昇る、
何とか、今日はがんばってみようとなれたら、この映画を作った
意味はあるのかも知れない」と呉美保監督は、語る。

男女の愛、家族の愛憎、人間の性、負の連鎖

底辺の生活の中でも、ひたむきに生きる人達を、リアルに描く。

かつての、邦画の雰囲気が漂う
土着的で、体温が伝わってくるような作品。

ラストの、光が二人を包み込む海辺のシーンは、
微かな希望が感じられ、美しく、胸をうたれた。

想像していたよりも、重い内容だったが、
意外にも、観終わった後の後味は、悪くない。

深い余韻が残る、心を揺さぶられる作品です!

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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