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オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~ (2013)

ALL IS LOST

監督
J・C・チャンダー
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3.41 / 評価:227件

解説

インド洋で遭難してしまいたった一人で孤独や命の危険との闘いを強いられた男を、名優ロバート・レッドフォードが演じるヒューマンドラマ。自家製ヨットでの気ままな航海の旅が事故により一転、大自然の猛威にさらされる中で、それでも生きようとする人間の強さを感動的に描く。メガホンを取るのは長編デビュー作『マージン・コール』で注目を浴び、本作が長編2作目の監督作となる新鋭J・C・チャンダー。全編水上でのロケで唯一の登場人物を演じる、大ベテランのロバートの熱演は必見。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

自家製ヨットでインド洋を航海中の男(ロバート・レッドフォード)。突然、海上の浮遊物がヨットに衝突したことから、気まま旅が一転する。浸水や無線のトラブル、さらには天候悪化に見舞われ、自然の脅威、飢えや乾き、孤独との闘いを強いられる。そして、男は自分自身の気持ちと向き合い、大切な人に向けて手紙を書く。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 All Is Lost LLC
(C)2013 All Is Lost LLC

「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」男はすべてを失うとき、なにかを悟る

 インド洋上を単独航海する自家用ヨットが漂流するコンテナに衝突し、人生の晩年を迎えた男の運命が一変する。舞台は大海原で、登場人物は一人だけ。台詞もほとんど無きに等しい。アメリカの新鋭J・C・チャンダーが監督した「オール・イズ・ロスト」は、情報や演出を削ぎ落とし、シンプルを極めたドラマのように見えるが、脚本にはこの監督の洞察や計算が巧妙に埋め込まれている。

 男はタイトルが示唆するように最終的にすべてを失うが、それまでには手元に何を残すかという選択がある。彼は激しい嵐で大破したヨットから救命ボートに乗り移るときに、水没した船室に潜って、封も切られていないある箱を持ち出す。中身は六分儀で、説明書を読む姿からそれを使ったこともないことがわかる。もはや漂流状態で、無線も失っているのに、六分儀で現在地を確認してどうするというのか。

 そこで思い出すのが、大海原がインド洋であることだ。ジャーナリストのロバート・D・カプランが「インド洋圏が、世界を動かす」で書いているように、グローバル化はコンテナ輸送に依存し、世界のコンテナの半分はインド洋を通過している。そんな海域であれば、中国製のスニーカーを積んで漂うコンテナに衝突することもあるかもしれないが、同時に航路も存在する。この男は絶望的な状況のなかで、感情を表に出すこともなく、ハンターのように救命ボートが近くの航路を横切るタイミングに備えようとする。

 おそらくこの男は、これまで人の力というものを信じて人生を切り拓いてきたに違いない。そんな彼にとっては、手紙が物語るように自分の限界を知ったときがすべてを失ったときになるが、世界は人の力だけで動いているわけではない。男は本当にすべてを失うとき、なにかを悟ることになる。(大場正明)

映画.com(外部リンク)

2014年3月6日 更新

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