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家路
2014年3月1日公開

家路

1182014年3月1日公開

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4.0

時間が止まった町

福島市のフォーラム福島で鑑賞 地元ということなのか、客席は8割くらいの入りでした・・ 今作は半分がドキュメントと言っていいでしょう。 立ち入りができない無人の町(富岡町か浪江町と思われる)は、本当にセットではなく本物でしたね。(仕事の関係で何回か現地を立ち入り調査をしたのでわかります・・) 応急仮設住宅はおそらくいわき市内でしょうね    ※野性化した豚の群れが映っていましたが、災害直後は牛の群れやダチョウ、犬や猫も彷徨い歩いていました・・ 松山くんと内野さんの熱演は必見だと思います。 方言も、地元の私からみても違和感はありませんでしたね。 ただ、嫁さんの仕事?はありえないでしょう・・ (それが分かってて結婚したかもしれないが、娘までいるのになぜ夫がやめさせない・・) 高い放射線のため居住できなくなり、止む無く応急仮設住宅に暮らす長男一家とは反対に、二郎は東京からインフラも整っていない故郷に戻ってきます 二郎は、二度と故郷には戻ってこないと言っていたはずなのに、なにが彼をそうさせたのか・・ 望郷というのは、故郷を離れた人が故郷を思う気持ちであって、実際住んでいる人ではないんですね。 震災と原発事故から3年が過ぎました・・ 故郷を追われた元住民にとって、時が経てば経つほど強くなるのが望郷の念・・ 今作は、地元で生まれ育った長男と、一度は故郷を捨てた次男との確執も描かれていましたが、そこらへんはうまく描いていたと思いますね・・ 学校の校舎で流れていたドボルザークの家路・・ 私の小学生のころも下校時間になると流れていました。 家路が流れると、校庭で遊んでいた児童らは家族が待つ家にそれぞれ帰りはじめるのですが、今作のような居住を禁止されてしまった地域には、家はあっても家族や地域の住民は一人もいません・・ 人が住んでいてこその「故郷」なんですね・・ 居住制限を解除されても、住民が戻らなければ、そこは「死の町」のままだと思います。 今作は、ぜひ福島以外の方にこそ見ていただきたい。 そして、少しでも、あの狭くて不便な応急仮設住宅で暮らさざるを得ない住民の心情を理解していただきたい。 そして、忘れないでほしい・・ 今現在も私の故郷の一部は、時間が止まったままだということを・・

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