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ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 (2012)

BELYY TIGR/WHITE TIGER

監督
カレン・シャフナザーロフ
  • みたいムービー 20
  • みたログ 97

3.06 / 評価:67件

ホワイトタイガーの正体

  • hkm***** さん
  • 2016年3月28日 20時20分
  • 閲覧数 4451
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は他の方がおっしゃる通りオカルトチックな映画です。
東部戦線を舞台に「戦車の神の力を授かった男」と「神出鬼没の幽霊戦車」が戦う映画です。この映画の見所は、CGに頼らず火薬をバカスカ使う所。戦車の迫力、重量感、泥臭さが感じられる所。そして、bgmが少なく実際に爆発の爆発音や戦車の動く音を最大限に活かしている所です。
これだけ見ると「視覚、聴覚効果だけの空っぽ映画」になってしまいますが、ストーリーもなかなか良いです。では、なぜこの映画の良い所に列挙しなかったのか。それはこの映画を見た私個人の解釈であり、それが必ずしも良いとは限らないからです。
では、ここから私のストーリー解釈を書きます。
ストーリーにおいて最大の謎は敵戦車、通称「ホワイトタイガー」の正体です。ホワイトタイガーはVI号戦車ティーガーIとは全くの別物で、ドイツ軍所属でもないことです。では、この戦車は何なのか。これは物語を通して謎に包まれています。そして、最後まではっきりと解明されません。しかし、映画を繰り返し見てみるとその正体が見えてきます。
私が予想する「ホワイトタイガー」の正体はA・ヒトラーの理想の具現、さらには戦争という大まかで抽象的なものの具体であると考えます。神出鬼没、圧倒的火力、不死身、ドイツ軍幹部すら存在を知らない。この時点でヒトラーの密令で作られたか、そもそも実際には存在しないのどちらかになります。この答はラストの終戦シーンにあります。ヒトラー本人と誰か(ヒトラーは終戦前に自殺しているため相手は神様と思われる)が話すシーンがあります。そこで己の理想を語り、戦争が(特にヨーロッパで)今後も無くならない旨の発言をします。また、その後ナイジョノフと少佐が話すシーンがあります。そこで、ナイジョノフは世界大戦が終結したにも関わらず、彼は今後の何十年先でも奴(ホワイトタイガー)は待っていると発言します。この2つのシーンからホワイトタイガーは戦争の化身、具現と考えるのが妥当だと思います。何故ならヒトラー自身はホワイトタイガーについて言及してないうえ、戦争が終結した時点で戦車に戦う理由も意味もなくなります。また、ドイツ軍との連携もなく、ドイツ軍内でも噂程度のものである。そして、ヒトラーの「戦争は無くならない」、ナイジョノフの「奴は待っている」からホワイトタイガーは戦争の化身、具現だと考えます。しかし、戦争の化身が何故ソ連の敵なのか。それは戦争を始めたドイツが悪である、と言ってしまうとそれまでですが、ここで思い出してみましょう。ナイジョノフは戦車の神から力を授かりホワイトタイガーを撃破する命を受けます。対するホワイトタイガーは圧倒的火力、不死身と悪魔そのものです。悪魔は自分を呼んだ側であるドイツについたのでしょう。つまり、ホワイトタイガーは戦争の化身であり、悪魔であると考えます。対照的にナイジョノフは悪魔を討伐すべく送りこまれた聖戦士である(もしくは聖戦士に生まれ変わった)と考えます。つまり、この映画は独ソ戦にみえて、実は戦争の悪魔と聖戦士の戦いを描いているのです。
この映画は単なる戦争アクション映画ではありません。ストーリーに奥行きがあり、こちらの想像が膨らませられるようにできています。抽象的に描き、浪漫を感じさせる部分は松本零士のよう、多くを語らず、こちらを考えさせる部分は押井守のようで非常に面白い作品でした。
こんな作品、アメリカ映画ではなかなか見られません。非常に手の込んだ良作です。

詳細評価

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