作品全体としては☆5つ
- xeno_tofu さん
- 2020年5月18日 0時03分
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- 総合評価
この機に一気に鑑賞したガンダムUC。作品全体として見た時に、そのテーマ性やキャラクターの立ち位置、統一性があり、完成度はすごく高かったので☆5つとしたい。だが、このエピソード7だけ考えると、☆4つかなぁ。
一貫していたのは、ボーイミーツガールを起点としたバナージ少年の成長譚。それを核として、キャラクターそれぞれのドラマが描かれていた。
また、本作のマクガフィン「ラプラスの箱」が、最後まで見失わずに、その争奪戦、存在を獲得しての利用、もしくは消去がストーリーの軸足になっていたこともよかった。(まあ、スタート地点に・・・というのは、許容範囲かな。よくあるように思うし)
本作通じての裏主人公はリディ・マーセナスだったでしょう。
戦場での葛藤の中から、自分のなすべいことを見出したバナージに対して、課せられた運命の中で自分を見失ってしまうリディは、(ミネバに惚れるってところを共通させながら)鏡写しの存在だった。
一回レビューでも触れたが、時代が違ったら、闇落ちまでやらかすリディが主人公だったように思う。
本作の中でいくつか指摘を。
終盤の怒涛の超展開が、なんとも評価しづらい。ダメと切って捨てられないが、もろ手を挙げて賛成とも言えない。
インダストリアル7のコロニービルダー、メガラニカでフル・フロンタルのネオ・ジオングが侵入してからのユニコーンガンダムとバンシィによる共闘。そこから、精神感応の世界で一年戦争(「ビギニング」のイントロに合わせて)を振り返ってから、虚無の世界を見せるのは、なんだか突飛も突飛な流れ。
そこからユニコーンの覚醒で壊れゆくネオ・ジオング。そして、ユニコーンとバンシィによるサイコ・フィールドでコロニーレーザーを抑える。勢いがあって悪いと断じ切れないが、思い返してみると、万能すぎるやろぉとなってしまう。
そして、勢いそのままにユニコーンがゼネラル・レビルのモビルスーツ隊を停止させてしまう。
アクシズ・ショックの流れから考えると、サイコフレームを通じた力にそれくらいあってもいいのだが、なんとも物語を収束させるためのご都合主義とも捉えられても仕方ないとも思った。繰り返すが、評価が難しい。映像は良いんだよね。
ブライト・ノア率いるラー・カイラムの活躍が地味ながら、よかった。確かにコロニーレーザー、グリプス2の発射を止められなかったが、物語の展開に深みを与えたように思う。
ミネバがダイナーの老主人との会話で交わした「善意」という言葉をたびたび使う演出は非常によかった。地球に降りて事態を止められたわけではなかったが、結果として、その行動に大きな意味を加えた。
ただ、マリーダがリディに撃たれてしまうのはなぁ。
そこからネェル・アーガマのクルーはリディに戻ってくるよう声をかけ、すぐ許しちゃう。確かに、これまでの経緯知らないし、彼ら彼女らにとってはマリーダはお客さんだったから、クルーにとっては、リディの方が大切だもんなぁと理解できるが、ちょっと鑑賞者にはもう少し配慮してほしい流れだった。
作品全体としてまとまりはよく、非常に楽しく鑑賞できた。もっと早く見れば、よかった!と言える作品でした!
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