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それでも夜は明ける (2013)

12 YEARS A SLAVE

監督
スティーヴ・マックィーン
  • みたいムービー 764
  • みたログ 2,980

3.83 / 評価:1,876件

観るのがとっても辛くなる。

  • sou***** さん
  • 2019年10月22日 0時32分
  • 閲覧数 340
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画で主人公として描かれるソロモンにより、執筆された本が元になっているそうだ。

正直、全編息苦しい。
延々と黒人奴隷制度について描かれる。アンクル・トムの小屋だったり、奇妙な果実の世界だけがこの映画にあって…。只々、観るのが辛い。

アメリカの差別とは、根っこはココなんだろうなぁ…と思う。

この映画で描かれる時代のアメリカは、黒人を商品として売り買いして、物として扱う、極めて人権が無視された状況だったらしい。
雇主に食べられないだけで、ほぼ家畜扱い。或いは、酷い鞭打ちを繰り返される事を鑑みると家畜以下とも言える。

人間の価値観って、社会的に形成される部分もある。特に人権などは、古代から現代に至るまで大きく価値が変化した。
当時のアメリカ中南部の白人富裕層の「当たり前」の感覚と言えばその通りだろう。
いつの時代も「当たり前」とされた根本的な倫理観が欠如した常識は酷く恐ろしい。
時代が洗練されてくると「当たり前」だった事柄も「あり得ない」に変化するものだ。
常識を疑う姿勢の大事さを感じる。

子供は親を選べないように、肌の色も国も地域も選べない。個人の意思とは関係のないところでカテゴライズされて、人生が決定されるべきなのか?差別する側とされる側の違いは、運命的な観点では偶然でしかない。たまたま黒人で、たまたま白人で、たまたま〇〇という国に産まれただけだ。そこに意思決定の余地はない。

ソロモンは、アメリカ北部で自由を保証された黒人だったが、奴隷商人に騙されてアメリカ南部に奴隷として売られていく。
きっかけは、人生の誰にでもある泥酔の夜。泥酔で眠る彼は、身柄を拘束されて奴隷商人の手に渡ってしまった。
たったこれだけで奴隷になる悲劇…。
たまたま黒人だったが故に、弁明や証明の機会すら奪わるのだ。
奴隷制度も問題だが、差別や偏見による、或いは差別や偏見を更に悪用する人間の業に言葉がない。

自由という権利を持っていた黒人から、奴隷へと立場が変化する事で物語の悲劇はより強調される。
彼は、高い知性を持つ黒人だった。それが逆に災いする。
時に、白人よりも的確な判断が出来るが、それが反感の的になる。ただ、労働力として働くには家畜のように従順である方が良いのかもしれない。考える能力は自分自身を苦しめ、場合によっては敵を増やす。そして、過酷な暴力を受ける…。

後は、只々、奴隷制度の闇が描かれて続ける。

他に、僕の心に残った部分は、ワークソングとゴスペル。ブラックミュージック好きとしては根幹なんだよね。綿摘みとワークソング、アメリカ南部、ブルース誕生。彼らの苦悩が、巡り巡って音楽となり、僕の琴線に触れるのだ。ただ、感謝するしかない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
  • 切ない
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