ここから本文です

アメイジング・スパイダーマン2 (2014)

THE AMAZING SPIDER-MAN 2

監督
マーク・ウェブ
  • みたいムービー 274
  • みたログ 3,281

3.46 / 評価:2183件

ラストは評価できるが分裂気味の酷い脚本

  • kug***** さん
  • 2016年5月1日 2時38分
  • 閲覧数 2217
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 主人公カップルの美男美女ぶりばかりが高評価対照になってて、昭和30年代から変わらない日本の評価に呆れつつ、アメリカ本国では大赤字だったリブート二作目を鑑賞。
 父リチャードの死の真相から始まるアバンタイトルはいいとして、開始10分ほどで「こりゃやっちまった」と頭を抱える酷さ。なんだこの「いないよりはいた方がいいのは!!」 前作で評価できた点はスパイダーマンとしてのピーターのノリの軽さ。「デッドプール」が現れるまではマーベルヒーロ-1の無駄口王でしょう。サムライミ版は真面目すぎて、イマイチその軽さが表現できてなかったので、そこは評価したのですが、原作ファンもそれを高評価したのか、冒頭から全開でやらかしてくる。無駄口はスパイダーマンらしくていいんですが、そこはアクションをしながらでないと。犯人とくっちゃべってばかりで事件を解決しないのでデッドプールかと…。ちゃんと犯人を手早く倒していれば被害はかなり抑えられたはずで、叔父さんが死んだことの反省があいかわらず全くありません。
 いきなり呆れていると前作で気不味くなったグゥェンとの関係がなぜか回復してて驚き、かと思えば「お父さんとの約束だからと」別れを切り出したりと、やたらダラダラ。結果ストーカーのように彼女を見守る毎日。
 一方でピーターは疎遠になっていた幼馴染(という設定に今回はなっている)でオズコープのCEOに就任したばかりの御曹司「ハリー」と再会して旧交を温める。ハリーは父と同様の遺伝子疾患に悩み、それを解決するためにスパイダーマンの再生能力を欲していて、ピーターに協力を依頼。しかし、リザードの一件で遺伝子治療に抵抗があるピーターは協力を拒む。このハリーとの関係は非常に整理されていて、前作からの伏線も生きていて見事。ですが、そこの合間に挟み込まれて失速させる微妙な恋愛模様が雑音になっているのが、なんとも。そして、報われない毎日に悶々としているオズコープの優秀な電気技術者「マックス(ジェイミー・フォックス)」は感電のショックで電気怪人「エレクトロ」となってしまう。オズコープはマックスの存在を隠蔽しようとするが彼は混乱して大暴れ。街へと飛び出した彼の説得を試みるスパイダーマン。しかし、警察に狙撃され大暴れ。日陰者だったはずの自分が報道のカメラに写っていることに喜びを感じるマックス。しかし、それはすぐにスパイダーマンにとって替わられたことで嫉妬し、逆恨みをする。
 ここは面白いんですが、マックスのキャラクターがただの地味で孤独ないい人なので、逆恨みで暴れるというのがかなり弱い。しかも、怪人に変貌した自分の顔が報道されて歓ぶかも疑問。もっと、追い詰めるべきですし、自分の力に酔うべきです。原作のように根っからの悪人にしたほうが話の説得力はあるのに、格差社会問題に切り込みたかったのでしょう。ですが、薄っぺら過ぎます。
 そしてオズコープの幹部はエレクトロの一件をすべてハリーに押し付け、会社を乗っ取ってしまう。エレクトロを救い出したハリーは、スパイダーマンを倒す仲間へと引き入れ、オズコープに保管されるスパイダーマンのサンプルを奪う。
 アメコミにはしょうもない逆恨みが行動原理の悪役が多いですが、この映画の作風ではかなり浮いてしまいます。ハリーにしても目的は自分の治療であるはずなのに、なぜか社会全てに対して恨みを持ち、スパイダーマン打倒を言い出します。病弱のはずなのに素手でガードマンを何人も倒してエレクトロを救いだすのも、頭を使ってなんとかすべきだと思うんですが…。ハリーはエレクトロの協力で自分から会社を奪った連中を皆殺しにし、スパイダーマンのサンプルで治療を施すが、怪人「グリーンゴブリン」となってしまう。
 エレクトロとグリーンゴブリンは街で暴れ、スパイダーマンをおびき出そうとする。一方、ピーターはイギリスへ留学しようとしていたグゥェンをひきとめ、その言葉を待っていた彼女は二人の怪人を倒すのに協力する。グゥェンの活躍で電力を過剰に与えられたエレクトロは爆死。しかし、グリーンゴブリンにビルから突き落とされ、彼女は転落死してしまう。
 ピーターとの相互理解もなく、エレクトロへの救いは一切なくて、被害者の悲惨さしかありません。せめて、存在すら会社に消されるならニューヨークに生きた証を刻んでやるという思い切りでもあれば。

 恋人の死でピーターはスパイダーマンをやめる一方、ハリーは刑務所の中で作戦を練り、冒頭で逮捕された犯罪者たちを脱獄させて手下にしてゆく。街で暴れる彼らの前に颯爽と現れ、復活するラストはすごく良いのですけど。
 前作もラストだけがマーク・ウェブらしい苦い映画でしたが、本作も同じくラストだけが際立っています。とにかく長くて、ダラダラして3時間近い。
 脚本が三人のせいか、三つの話が上手くしっくりと絡んでない感じが実に残念。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 不思議
  • 勇敢
  • かわいい
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ