あらすじ・解説
惜しまれながらも2012年12月に57歳で他界した歌舞伎役者、中村勘三郎。現在の歌舞伎界で唯一無二の歌舞伎役者となった勘三郎の生前10年間に密着し、勘三郎が語る言葉によってパワフルな活動と舞台裏、過酷な闘病の様子にも迫る。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(4件)
- kih********
4.0点
歌舞伎ってどんなものだろう、という程度の興味・関心で、お勉強のつもりでこれをレンタルして来た。お勉強になった。というのも、―― ‘ど’んなものかを知るために概論的な解説を読んでも、‘そ’ういうものかというおぼろげな理解はできても、‘こ’んなものかというイメージには至らなかったからだ。 歌舞伎の劇場まで足を運ぶことはほとんど困難で、レンタルできる『シネマ歌舞伎』のシリーズはほとんど観終ったところで、この映画『中村勘三郎』はいいタイミングだった。彼はシネマ歌舞伎でお馴染みなので、この映画は彼に歌舞伎の世界を案内してもらったようなものだ。 (知人に一味も二味も違う高校教師が居る。この先生の魅力はどこから来るものか不思議だったが、彼女が演劇科の卒業で、歌舞伎の専門であることが分かって謎が解けたようなことだった。兼がね「先生業は役者業なり」と思っていた私には十分納得のいくことだった。歌舞伎に関心を持つようになったのはそれからだ。) (何と勘三郎が「無着成恭先生に教えられた」という段では驚いた。専門家の間でも、「演劇と教育」、「役者と教師」は繋がっていたのだ。「型が有るから型破りができる」というのはともかくも、「僕には組織票がない。浮動票だけ。浮動票を失ったら僕はない。」という話には現代の教師達はしっかり傾聴すべきだ。「そのためには、常にお客を楽しませないといけない」、「常に新しく新鮮でないと、逃げられてしまう」。「票」や「客」を生徒と置き換えるといい。) 手術前のインタビューでのつぶやき――「声を失うかも知れない、身体が動かなくなるかも知れない、そうなった時にでも、どんなことができるのかと思うと、(少し)ワクワクする」っていうのは驚きだ。死を予期しつつも、こういうことが言えるの。歌舞伎役者というのはこういうものか。
- じぇろにも
4.0点
ネタバレ御披露目
このレビューにはネタバレが含まれています。 - いやよセブン
4.0点
海外公演も含め、18代目の勘三郎に密着したドキュメンタリー。 芸に対する妥協のない厳しさと、息子として、父親として、最後にお祖父ちゃんとしての人間勘三郎の生き方がよく伝わってくる。 女遊びも賑やかだったが、歌舞伎の世界は伝承することが最も大事、ということが分かった。
- けんさくたん
5.0点
歌舞伎役者の中村勘三郎を何年も追いかけた ドキュメンタリー作品 とてもていねいに作られていると感じた 舞台裏や関係者、自宅やオフショットまでうまく取材されていた 中村勘三郎は、立ち役から女形、シリアスな役から軽い役まで オールマイティにこなし、さらに踊りもうまい これだけの歌舞伎役者は今後出てこないように思う 作品では、病気と闘う最期の部分も描かれていたが 本当に惜しい人をなくしたと思う
スタッフ・キャスト
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