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ある過去の行方 (2013)

LE PASSE/THE PAST

監督
アスガー・ファルハディ
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3.47 / 評価:172件

傷つく人、傷つける人

  • 一人旅 さん
  • 2019年6月2日 21時35分
  • 閲覧数 97
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

アスガー・ファルハディ監督作。

『別離』(11)、『セールスマン』(16)のイランの名匠:アスガー・ファルハディ監督による心理&家族ドラマの力作で、その年のアカデミー外国語映画賞イラン代表作品に選出されています。

長女:リュシーらとパリに暮らす薬剤師の妻:マリーと、離婚手続きのため彼女のもとを訪れたイラン人の夫:アーマド、マリーとの再婚を控えた幼い息子連れの恋人:サミールを主な登場人物として、リュシーがアーマドに打ち明けたある秘密をきっかけにして、彼らそれぞれが胸の内に秘めた現在に繋がる過去と思惑、罪の意識が浮かび上がっていきます。

表面上は変哲の無い登場人物同士の平穏な関係性を提示しておいて、目には見えない人間の心の奥底に在る心理と真相を紐解いて表面化(衝突)させていく作劇となっていて、“解っているようで実は解っていない”―家族を含む他人に対する理解の限界を明らかにすると共に、心理と心理が複雑に絡み合って成り立つ人間関係のややこしさ、やりきれなさが役者達の真に迫った演技を通じて浮き彫りになっていきます。

“明白に悪人と呼べる人間は登場しないのに、深く傷つけられる人間がいて、無意識の内に他人を傷つけてしまった罪の意識に苛まれる人間がいる”―という、ファルハディ監督らしい普遍的な物語に、一触即発のヒリヒリとした感覚と身近な共感を覚えてしまいますし、静謐ながら心のこもった着地が穏やかな感動と希望を生み出しています。

マリーを演じたベレニス・ベジョを筆頭に、アリ・モサファ、タハール・ラヒム、ポリーヌ・ビュルレら役者陣の力演にも要注目な心理ドラマの力作であります。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 知的
  • 切ない
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