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サクラサク (2014)

監督
田中光敏
  • みたいムービー 32
  • みたログ 198

3.26 / 評価:133件

現実はそんなに甘くないよ・・・でも

  • Programer's-hi さん
  • 2014年4月9日 16時56分
  • 閲覧数 1654
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

「現実はそんなに甘くないよ。」

上映後、出口に向かう人の流れの中でこんな声が耳に入った。その通りだ。特に妻との和解は、そんなんで良いのかよ、と思わぬでもない。

私も家族を崩壊させてしまった人間だ。一旦は旅に出て関係の修復が出来そうな時期も有ったが結局ダメだった。

私の父は認知症には無縁だった。部屋の大掃除を済ませた翌日、義姉が入浴中に心臓麻痺で逝った父を発見したと言う。誰にも迷惑を掛けず身綺麗で旅立った父の事を、私は幸運な人だと思うし、立派だとも思う。

生きるという事はそもそも恥ずかしいことだ。老いることは仕方ない。しかし恥ずかしいという感情を失うことが恥ずかしい。

大崎俊太郎(藤竜也)の言葉だ。

父・俊太郎の認知症の発症を切っ掛けにして大崎俊介(緒形直人)は家族関係が崩壊寸前であることを目の当たりにする。父の認知症を家族で誰にも知られないようにただ一人で支えていた長男・大介(矢野聖人)の事さえ知らなかった俊介。

人を褒めることは難しい。褒めるためには良く観ていなければならないからだ。

これも俊太郎の言葉だ。

もし、大介さえ身勝手だったら、俊介はどうだたろうか?私なら、仕事と家族を捨て、父の介護の為に父と二人で家を出るかもしれない。そんな愚かな自分を知らぬ間に心優しい人間に成長した息子が救ってくれたのだ。

私は映画を見ながら、そんな最低の想像した自分を恥じてた。胸を衝かれて嗚咽を漏らした。

大介が言う。

そろそろ入院を考えた方が良くないか?

俊介が答える。

そうだな。でもその前にやることがある。

全てを悟る大介。

家族の再生と父が戻ってくることを信じて、旅が続く。

美しき日本の風景。

現実はそんなに甘くないよ・・・でも、こんなファンタジーに素直に感動する自分も、そんなに悪くない気もするのだ。

さだまさしは、映画「敦煌」で100億近い借財を抱えた。それを数十年に渡る地道な音楽活動で完済したと言う。彼の才能は小説の世界でも開花し、その作品が何本も映画化されるようになった。グレープの頃からのファンである私は、彼の作品への評価が甘くなるのは仕方無いのだ。何故なら、彼が何を求め祈るように生きているか知っているからだ。また、こんな作品を届けてくれて、深く感謝したい。

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