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サクラサク (2014)

監督
田中光敏
  • みたいムービー 33
  • みたログ 198

3.26 / 評価:133件

惜しい。再び感動作に出合う気がしたのだが

  • jam oji tc さん
  • 2014年4月6日 12時01分
  • 閲覧数 1592
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

 近い印象を受けたのは「ネブラスカ」と「ペコロスの母に会いに行く」、2作とも最後に大泣きしてしまった感動作でした。どちらも老いた親と、息子の話。今作はテーマはさらに広く、壊れてしまった家族の和解・再生の物語も入っており、上手く作られていれば、上記2作以上の、深い内容の名作映画が出来上がる可能性も持っていたはず。
 最後の「サクラサク」シーンで大感動するなと期待して行きました。

 原作・さだまさしの中編小説(文庫本で120pほど)「サクラサク」、映画化にはちょうど良い長さの、内容も良い小説。監督の手腕の見せ所。

 主要登場人物をあげておきます。
 大崎家、主人公・俊介47歳(原作では53歳)、電器会社勤務、有能会社員、取締役昇進間近(緒方直人)
 妻・昭子(47歳)
 長男・大介・19歳フリーター(矢野聖人)
 長女・咲子・17歳、高校生(美山加恋)
 俊介の父・俊太郎・78歳(藤竜也)
 主にこの5人で物語が展開する。

 見始めて最初の印象、妻・昭子が酷い人物過ぎる。あまりにも不愉快な人物なので、見ていて腹が立ち(映画館を出たくなった)、なんだコイツといいながら見ていた。
 娘・咲子 俊太郎の窮地を無視、菓子食べながら漫画見ている。
 親思いの主人公と、人の気持ちを持たないエイリアン一家の話か?

 息子・大介まで、祖父に無関心?、俊介が怒り、大介を殴る。
 まあ大介はすぐに祖父の面倒を見ていた優しい心の持ち主である事がわかるが。

 そうか、心やさしいのは祖父・父・息子の男3人たちだけ、非情な女たちという構図か?

 俊介が一念発起、車で家族旅行に。その中で、娘が、そして妻が心を開き、一家が再生していく。しかしここでも、それまであんな人物が、1つのエピソードで、変われるかなという唐突感も感じる。

 映画後、原作を見る。人物の状況説明、描写、物語展開、自然であり違和感なく描かれていた。わかりにくかったのは、映画製作者の改変によるところが大きい。

 昭子がこういう人物に至った原因。映画内では、家族や子供の事を全く顧みない仕事人間の俊介がもとで孤独感を募らせたのが主因。だが主因は俊介が仙台に単身赴任していたころ(5・6年前くらいか)、女を作っていて、訪ねてきた妻と鉢合わせし、以降妻はバランスを崩し、心が壊れ、家庭内離婚のような状況になっていた。(映画でも場面は出てきたがわかりにくかった)
 息子の大介も、その時期に精神的に傷を受け、高校2年時の進路相談で、希望大学は無理と言われて事とも相まって、高校中退、アルバイト生活になった。
 娘も咲子は、しつけがきちんと行われておらず食事の作法などできていない子供のような娘、映画とは違い俊介には、結構懐いている人物。
 映画だけではこういう前提が見えず、いきなり非情な家族集団として描かれていた。

 人物像の一貫性も見えにくかった。
 主役の緒方直人、父親への面倒見の良い、心やさしい人物として描かれている。家族を全く顧みず、仕事ばかりに没頭している人物には見えない。(「そして父になる」の福山さんはそういう人物のリアリティがあった)
 妻や娘が心を開き、家族のきずなが結ばれていく場面も、それ以前の人物像から見ると、唐突に見えました。

 映画化に合うように付け加えられたシーンも、あまりうまくいってないような印象。

 雨の中で能を演じている、父親が認知症の症状を示すシーンは不自然に思えた(原作では、家から出て彷徨して大磯で保護される事件、これならありそう)。
 俊介の海へのダイブシーンもありません。
 車に父を一人置き去りにして、みんなが外に行き、その間に父がいなくなるような馬鹿げたシーンはありません。
 画面での見所を狙ったのかもしれませんが、物語展開として不自然を感じました。

 映画化して素敵な所もたくさんありました。
 山梨、長野、富山、福井、日本の景色の美しい事といったら。
 樹木に囲まれた古寺の美しさも味わえました。

 最後のサクラサク場面も感動的になっていました。

 映画見終わった後の印象では☆3~4くらいだったのですが、その後原作を見たら原作の良さが映画製作時改変で失われている事が多く気づいてしまったので、☆2の低評価とします。

 さださんも信頼している監督さんらしいので、このような素人評は気にしないで見てください。
(でもこの監督の過去作を見たら、さだ映画で唯一最悪の「精霊流し」の監督であるのを見て個人的には納得してます)

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