ここから本文です

私の男 (2013)

監督
熊切和嘉
  • みたいムービー 329
  • みたログ 1,679

2.90 / 評価:1211件

浅野忠信の狂気と二階堂ふみの妖艶さが魅力

  • y_f******** さん
  • 2021年5月7日 14時24分
  • 閲覧数 164
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

これは嫌いな人が多いと思う。
だって、実父が娘と恋人のように過ごすって、普通の感覚ではキモすぎるし受け付けない。私、女だけど、父親とって考えたら…うげぇぇ

ただ、狂気を楽しむのも映画の楽しさの一つだと思う。
私は浅野忠信のこういう狂った演技が好きだ。
あと、二階堂ふみってこんな妖艶な演技をする人なんだってびっくりした。

なぜ二人は親子なのにセックスしたのかと考えた。

淳悟は温かい家族の在り方がわからない。17歳で子供を作るくらいだから、若いころからセックスが当たり前になっていたんだろう。人とセックスでしか繋がってこなかったのかもしれない。だから花への愛情表現もセックスになってしまうのかもしれない。

花は幼い頃に家族を壮絶な事故で失った。
事故直後の花は淡々としている。あまりの事態に現実味が沸いてこないのだろうか?それとも現実を冷静に受け止めているのだろうか?それともこの事態を冷静に受け止めなくてはならないと自分に言い聞かせて混乱している気持ちを抑えて冷静さを装っているのだろうか?
その?に答えを与えるシーンがある。いや、さらに?を増やすシーンなのかもしれない。
花が死んだ人を覆う布をめくり、顔をみる。(私はその死んだ人が花の何なのかよくわからなかった…)そして蹴る。
蹴るって…きっとこれは花を象徴したシーンだろうな。は?死んでんじゃねーよ。そういう心の声が聞こえてきそうな…。
このシーンで、花も普通じゃないなと思う。
しかし花は淳悟の車の中で泣く。子供らしく。淳悟の前では弱い側面を見せられるということ?実の父親と、分かったのかもしれない。
淳吾は孤独な花にとって特別な存在であり、唯一の繋がり。
花はとても淳悟のことを求めている。
淳悟の気持ちに応えることは花の喜びであるように見える。実の娘である自分にしかできない役割を喜んでしている。
淳吾が望むことを察知し、積極的に自分からもその性的愛情表現をしているのか。いや、もしかしたら、花にも愛情表現が性的なものになる傾向があるのかもしれない。


淳悟は花をまるで恋人みたいな扱いをする。淳悟は花のために花が欲しがるピアスを買う。それを恋人に捨てられるが、また買いなおす。そういう姿にピュアな恋心を感じる。
花のしゃべり方が幼稚だ。したったらずなしゃべり方。中学生の花が友達とはしゃぐ姿は天真爛漫。だけど言ってることは凄まじい。淳悟の恋人に「私は淳悟に殺されてもいい」と、中学生の花が言う。

この映画の中に、真っ当な感覚を持つ人の良いおじさん(ふじたつや)がでてくる。私はこの映画の中でこのおじさんが一番好きだ。
でも淳悟との関係を知ったことで花に殺される。

淳悟も花が殺人をしたことを察してきた男を殺す。

お互いが関係を壊そうとする人間を殺した。

このことで、二人は後戻りできないなぁところまできたなぁと思った。

物語の終盤、淳悟に変化が訪れる。
花がイケメンを家に連れてきた。
美しく若い花にお似合いの。
淳悟は悔しそう。
お前じゃ無理だよってイケメンに言う。
でもいうんだ。イケメンが去ったあと。
「俺は父親になりたいんだ」って。泣きながら。
私はここで初めて淳悟に素直な共感の感情が湧いた。始まってから1時間50分くらいたったところ?
でも、二人は人殺しちゃってるからね。
2時間の映画。殺したことを悔い、改心し、お互いの関係を見直し…なんて残り10分でするわけない。
やっぱり、二人の関係が続くのか?と思わせるようにして終わる。
ある意味納得のラストだった。

熊切監督の作品初めてちゃんとみたけど、演出が凄い。
このお話に共感が持てるかどうかはさておき、狂気と妖艶さの表現は素晴らしい。
そして、稚拙でない映画らしい映画。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ