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でっかく生きる

でっかく生きる

LIVING IN A BIG WAY

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bakeneko

5.0

ネタバレWhat a catfish!

デビュー当時のジーン・ケリーの超元気ダンスが堪能できるセミミュージカル作品ですが、戦後直ぐのアメリカの世情や男女の機微に関する箴言等、ドラマパートでも十二分に愉しませてくれる“恋愛喜劇&セミミュージカル”の佳作となっています。 「ザッツ・エンタテイメント」でも本作の超絶ダンスシーンが取り上げているのに日本では未ソフト化作品である-もったいない映画で、戦時中のパーティーで衝動的に結婚した主人公とヒロインの戦後の再開とギクシャクした想いのすれ違いと相互再認識が、ヒロインの祖母を始めとしたキャラの立った登場人物達による人間洞察の切れの良さによって活写されていきます。 辛辣だけれどロマンチストの祖母、趣味人だけれど既婚者の余裕ある?傍観者的父親、能天気で陽気な母親、法律マニア&覗き趣味等多彩な執事、笑い上戸のメイド、風呂嫌いの少年…等、次々と出てくる登場人物の化学反応で笑わせてくれる作品ですが、同時に劇中の台詞、 “打算で結婚するのは(賢明な)女の特技なのよ!”、 “愛って言葉は女が考え付いた男を縛り付ける為に吹き込む幻想よ♡” 等、数々の箴言でも頷かせてくれます。 また、作劇の途中で歌い始める純然たるミュージカルではなく、ダンスや歌は現実的な作劇の中のシークエンスとして“実際の踊りやダンスとして”取り込まれていますので、ミュージカルが苦手な方も違和感なく楽しめる構成になっています。そして、全部で4つあるミュージカルダンスシーンは、まだ監督として独り立ちする以前のスタンリー・ドーネンとジーン・ケリーの名コンビが野心的な演出で驚かせてくれます(「踊る艦隊」で、ジェリーとダンスしたジーン・ケリーの今回のお相手は何と…)。 ヒロインのメアリー・マクドナルドは華やかな美人ですが他の作品ではあまり観ることができませんし、戦後のアメリカで欠乏していたのは意外や…等、珍しい事象も取り込まれた映画ですが何といってもスタント&切り替えなしで魅せるジーン・ケリーのダンスは圧巻であります。 ねたばれ? カメラ切り替えなしでジーン・ケリーと互角にダンスって…凄いぞクリス!

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