あらすじ・解説
作家兼ジャーナリストのジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルヴィッロ)は、65歳ではあるが若さに満ちあふれ、発想力豊かで、派手な生活を楽しむ一方、セレブの集いに言いようのないむなしさ感じていた。ある日、ジェップのもとに初恋の女性が死んだという知らせが届く。ジェップは喪失感を抱えながら、どこか暗い雰囲気が漂うローマの街をふらふらと歩く。
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予告編・動画
作品レビュー(37件)
- oir********
5.0点
に深く作用しエンディングにおいて言いようのない余韻に浸る。そんな真の芸術的ポエジー映画。 ストーリーを要約できるほど完全把握は正直出来ていないが、イタリアローマのインテリ層に属するシニカルな老小説家の心理的変遷を辿ったものらしい。 とにかく相当贅沢な撮影の仕方と、手数をかけた編集が素人でもよく分かる。 そのためストーリーは分からなくても映像を目で追うだけで何らかの幻惑にはめられたような不思議な心境に陥ってしまう。 恐らく聖女としてあがめられるに至った高齢シスターの口数少ない金言が小説家に決定的心理ショックをもたらしたようだが、それは老境に足を踏み入れている私にとってもハッとする瞬間だった。 数年後か十年後、または数日後にでも再視聴して見たい。 4.8の五つ星 この手のイメージビデオ的映画を以前にも見たことがあり、本作同様深く印象に刻み込まれている。 追記:最視聴しよりストーリー理解は深まったが、本作を魅力的たらしめているのはローマの遺跡や建築群の重厚さを伝えてくれるリッチな映像(これがなければ陳腐な話でさえあったかもしれない)、爛熟しているが退廃的でもあるローマインテリ層の社交的雰囲気に「抗いえない枯れ行くだけの憂いや虚しさ」のようなものをまんま自己投影したからなのだと思う。富裕層でもインテリ層でもないけどね。
- 一人旅
2.0点
第86回アカデミー賞外国語映画賞。 パオロ・ソレンティーノ監督作。 ローマを舞台に、65歳の作家の人生の振り返りを描いたドラマ。 上映時間140分超で綴られた懐古ドラマで、65歳の作家:ジェップを主人公にして、初恋の相手が亡くなった知らせを聞いた主人公が自身の人生を振り返っていく姿を過去と現在を交錯させながら映し出しています。 “若さ”に執着する人々が美容外科医のもとに列をなす異様な光景や、退廃的で騒乱的なローマの若者文化が映し出されるなど、演出・映像面でフェリーニに対するソレンティーノ監督の憧れを感じ取れる作品です。 冒頭の、夜のクラブで踊り狂う若者たちの乱痴気騒ぎに自ら参加しつつもどこか冷静な視点で佇む主人公に始まる本作は、表面上の虚飾的生活の裏側に秘められた主人公の本質と儚き過去の面影を対比的に映し出しています。ローマという魅惑の都市が醸し出すムードに埋没して生きてきた主人公は、初恋の相手の死をきっかけに自身の心の奥底に眠る静かで穏やかな過去の記憶を呼び覚ましていくのです。生と死、老いと若き、愛と孤独といったモチーフをローマの街に表出させた男の懐古ドラマです。 終始淡々としている上に掴み所のない作劇ですが、レーレ・マルキテッリによる音楽が物語の中に絶妙に溶け込んでいますし、何より古都ローマを詩情豊かに映し出した映像の数々は圧巻の美しさです。エンドロールにおける長回しの河沿いの風景も印象に残ります。
- fg9********
3.0点
…第71回ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞を受賞した作品とあったので観てみる。 玄人筋、評論家筋には受けが良い作品らしい。 あらすじは解説のとおり、なのかしらん? よ~、解らんかった。 冒頭、片言の日本語を話すイタリア人女性ツアーガイドと、日本人観光客が現われて、その内の男の一人が突然死ぬが、どう見たって中国人やんけ。 で、その後、セレブらしき人物たちがディスコで踊り騒ぐ様が10分ぐらい続く。 いや~、これは外しちゃったかな、と思いながらも観続ける。 いよいよ主人公の作家のジェップ(トニ・セルヴィッロ)の登場だ。 彼は65歳の誕生日を迎えたが、出版した小説は処女作の1冊のみだという。 それ以後何も執筆することなく、自由気儘な人生を送っていた。 連日、セレブや知識人の集まるパーティーに繰り出しは、豪華かつ退廃的な暮らしにどっぷりと浸っていた。 ストーリー的にはこれぐらいしか書けない内容だ。 ローマ水道の石の台座に、全裸で全速力で頭からぶつかって行って倒れた女性は何? 少女の書き殴ったような絵も芸術か? パーティーで講釈を垂れる女史に対して、ジェップの完膚なきまでの一喝は痛快だったな。 でも、キリンさんはどうしちゃったの? 104歳の尼さんマリアが、階段を這い蹲って登るシーンは、何故かエクソシストを連想してしまったが、魅入ってしまった。 リトル・ウーマンの編集長は、常時冷静でイカシテいた。 感想はこれぐらいしか書けないが、虚無というか虚飾から解放されたかのような次の言葉は印象に残り、一見の価値はあった。 『65歳を迎えて数日過ぎたら、確実だと思えたことがある。 興味のないことに費やす時間は、最早残されていないということだ。』
- kih********
3.0点
この映画も諸行無常の鐘で始まる。嘘だろうと思ったが本当だった。念が入ってエンドロールにも諸行無常の鐘を響かせてある。 このテの映画は非常に苦手だ。何かテーマを隠してあるようでないようで、それを美しい画像で見え隠れさせて、勧善懲悪・ハッピーエンドは幼稚とばかりに、全体を退廃的なムードで包む。分からない物は退屈しても退席しても構わないと言わんばかり。 人生は「トリック」(最後の最後に、まとめ的に主人公が呟かれた)なのだそうだ。そうかなぁ。この映画がトリックを気取ってるんじゃないの? ダメな映画とは言わないが、退屈な映画。退席させてもらおう。
- arl********
4.0点
すごく面白かったです。 プルーストの世界?笑 万人受けはしないでしょう。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
アカデミー賞第86回
ゴールデン・グローブ第71回