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チョコレートドーナツ (2012)

ANY DAY NOW

監督
トラヴィス・ファイン
  • みたいムービー 806
  • みたログ 3,403

4.23 / 評価:2,485件

マイノリティ・ジャスティス

  • 天津飯 さん
  • 2014年7月24日 11時42分
  • 閲覧数 6349
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヒューマントラストシネマ有楽町、21時からのレイトショーで鑑賞 公開から時間が経っているのにも関わらず、女性中心のお客さんでいっぱいでした。


後半は泣きっぱなし、エンドロールが終わってもしばらく立てず、劇中の曲を思い出しながらまた泣く始末~_~;。 お断りしておきますが、邦画でよく観られる"お涙頂戴"を目的にしている訳ではありません。涙活をしたいなら是非別の映画を観てください。


本作は100分と短めな映画で、従来映画よりキャラクターの説明描写がかなり少なく、ただ観ているだけでは感情移入できないかもしれません。そのため、私のレビューで少しでも本作のメッセージが受け取りやすくなれば幸いです。

本作は1979年のアメリカ-カリフォルニアが舞台。ゲイのカップルが育児放棄されたダウン症の息子(名前はマルコ)を預かることから物語は始まります。カップルはたっぷりの愛情を持って家庭を築いていきますが、彼らにとってはあまりにも辛い試練が待ち構えています。

本作はゲイやダウン症といった社会的マイノリティの奮闘を通じて、世間の常識や既成の社会制度といかに立ち向かい、ありのままの自分をさらけ出せるかというメッセージが込められています。

前述にもありますが、ゲイカップルは育児に熱心、愛情を持って接し、子どもにも慕われていました。朝食を作り、学校への送り迎えをする、寝る前にはお話を聞かせてあげる。
一方のマルコは、学校の友だちと一緒にアメリカ国歌を歌い、パパとママ(パパ?)の似顔絵を描いてあげるなど、驚くほど理想の家族像を魅せてくれます。私自身、こんな温かい家庭が築けたらなと思う程です。

しかし彼らを待ち受けているものは、育児放棄をしているのにも関わらず母親の育児要望を尊重するという世間の認識、冷酷なまでのゲイカップルの偏見。彼らの日常が、彼らの主張する正義が、彼らの人間性がことごとく潰されていきます。

しかしそれでも、自らを主張するために、自分の自由を勝ち取るために、彼らと対峙するはずである既存の法律(世間の認識や常識)を武器に裁判を繰り返します。裁判の本題は子どもの育児のはずなのに、いつのまにかゲイの話題にいってしまう。「一人の人生の話だぞ!」まったくその通り。マルコはまだ子どもの上、ダウン症。その上両親がいない生活を強いられる。こんな辛いことはありません。

社会の偏見が、彼らの正義をねじ曲げる。私達は物事を決めるなかで、多数決や既存の事例をもとにすることがよくあります。しかしそれが本当に正しいやり方なのでしょうか? 全ての人間が一通りの解釈で論じられるべきなのでしょうか。この映画を機会に考えてみてください。




追記

ダウン症の子どもを演じた、アイザック・レイヴァには、とてもパワフルなエネルギーを授かった気がします。彼は演者ではありますが、実際のダウン症患者なのです。彼が見せる感情表現の一つ一つに、心を動かされました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 勇敢
  • 絶望的
  • 切ない
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