あらすじ・解説
1970年12月、ポーランド。グダニスクのレーニン造船所で電気工として働くレフ・ワレサ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)は、物価高騰に抗議する労働者とそれを武力で鎮圧する政府の双方に冷静になるよう訴えて検挙されてしまう。これを機に普通の労働者として生きてきた彼の生活は一変し、政治活動へとのめり込んでいくように。やがて、レーニン造船所のストライキ指導部の先頭に立ち、国家の民主化を訴えた独立自主管理労組「連帯」委員長となる。しかし、その活動を懸念する当局に軟禁されてしまう。
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作品レビュー(11件)
- fg9********
4.0点
…アンジェイ・ワイダ監督の『抵抗三部作』に続いて観てみる。 …御年87歳時の最新作だ。 …名前の読み方は、『ワレサ』ではなくて、ポーランド語読みすると『ヴァウェンサ』が正しいらしいが、以下、『ワレサ』と記述する。 …あらすじは、解説のとおり。 イタリアから女性ジャーナリストがワレサの家にやってきて、ワレサにインタビューをする形式で始まり、先ずは、1970年に起こった食糧暴動騒動からスタートする。 映像は、時折、モノクロにカラーがオーバーラップしたり、当時のドキュメント映像を交えたり、画面サイズも16ミリ?サイズになったりして、ワイダの映画作りに対する拘りが随所に見られる。 ワレサは一介の電気工に過ぎなかったが、1980年、多くの労働者を率いて独立自治労組の『連帯』を創設する。 しかし、1981年の「戒厳令」の布告によって軟禁されてしまうが、1982年にソ連のブレジネフ書記長の死亡に伴って軟禁を解かれる。 *この「戒厳令」の布告によって、ワイダもポーランドを追放されたのではなかったか? その後、1983年にはノーベル平和賞を受賞し、1989年の自由選挙で『連帯』が圧勝し、1990年11月の大統領選挙で当選し、同年12月に大統領に就任する そんなワレサの半生が、軽快なロック・ミュージとともテンポ良く描かれている。 その歌詞がテロップで流れるのだが、『社会をひっくり返すんだ。向こう見ずな決断だけど、体制を覆せ。』等々、セックス・ピストルズを彷彿とさせる音楽はかなりカッコ良かった。 大統領にまで登り詰めたワレサだったが、普段の彼の素顔は、幾分か不遜な仕種が見受けられるものの、ユーモアがあり、そして何よりも奥さんと6人の子供をこよなく愛した家庭人のように感じた。 そして、その奥さんがなんといっても立派だった。 その立派な奥さんが、ある日、とんでもないことをされてしまうのだ。 ノーベル平和賞を受賞したことは先に書いたが、ワレサは自分が授賞式に出席すると二度とポーランドへ帰れなくなるとして、奥さんに代理出席して貰うことにする。 そして、奥さんはワレサに成り代わって見事にスピーチをやり遂げたのだが、ポーランドへの帰国の空港で屈辱の全裸検査を強要されてしまったのだった(オ〇リのア〇まで!)。 ワイダは、官憲のオゾマシサを徹底的に暴き立てないことには気が済まなかったのだろう。 なお、アイルランド出身のロックバンド『U2』のヒット曲『ニュー・イヤーズ・デー』は、『連帯』をテーマにした楽曲であった。 エンディングで流してくれたら、もっと興奮しちゃっただろうなぁ。 2007年の『カティンの森』では度肝を抜かれ、2009年の『菖蒲』では幾分かガッカリしたが、本作では再び本来のワイダに出会えた作品となった。
- e_s********
4.0点
レフ・ワレサ氏 名前は聞いた事があるけれど… 一機械工から、連帯の委員長へ… 連帯って、何? 無知は、恥ずかしいが、こうして映画で勉強させて頂ける ありがたい! 生まれ持っての性格と、口が達者 これも、才能 内助の功の、奥様が印象的! 子供が6人! 屈辱にも耐え、愛情豊かな人 こんな女性は、めったにいない 70年代から80年代末… ポーランドの実情 そういう時代とはいえ、警察は鬼畜 途中途中の音楽が、苦手… わかりやすく実態を描く、アンジェイ・ワイダ監督
- tos********
3.0点
この人の伝記を撮るなら、この監督しかいないでしょう。現実のリーダー像、ヒーロー像を描いている一方で、奥さんの方にもしっかりと視点が向けられています。おそらく奥さんは、ただの電気工労働者と結婚したつもりなんだと思いますが、体制に反発し、連帯のリーダーになり、ノーべル平和賞を授与され、果ては大統領になってしまった夫に、戸惑いながらついて行く様は感動的です。 U2の「ニュー・イヤーズ・ディ」は連帯とワレサを歌っているものです。劇中で使ってほしかったと思います。
- いやよセブン
4.0点
共産主義体制崩壊の象徴となった、ポーランドの労組「連帯」委員長のワレサ、当時のニュースで感じていたのは、見るからに組合の代表だけど、恐るべき指導力を発揮していたことだ。 造船の労働組合で少しずつ力を得て、逮捕、釈放を繰り返しながら自由を勝ち取っていく姿は感動的。 ノーベル賞受賞のエピソードでは思考力を失くした人たちが多く登場し、悲しくなってくる。
- ソロビッチ
3.0点
「指導力に不安は?」記者 「不安はない。人間らしくあれば大丈夫だ」ワレサ 「お邪魔で?」知事 「いい冗談だ」ワレサ 珍しいポーランド映画。伝記映画好きだから見た。主要な登場人物がワレサと嫁とイタリア人記者くらいしかおらず脇役皆無。もっと協力した人物たくさんいたはずなのに省略してて革命全体が見えてこず残念でした。 革命後も大統領時代も現在もまったく出てこないし、もっと詳しくやって欲しかった。物足りなくて味気なかったです。 最悪な政府に立ち向かうのはかっこよかった。 あとタバコみんな吸いまくり。時代だし食糧ないので空腹誤魔化し食欲減退なのは仕方ないですけどね。 あとロックな曲はポーランドの流行曲なんかな? 60点
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