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ワレサ 連帯の男
2014年4月5日公開

ワレサ 連帯の男

WALESA. CZLOWIEK Z NADZIEI/WALESA: MAN OF HOPE

1242014年4月5日公開

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4.0

官憲のオゾマシサを徹底的に暴く

 …アンジェイ・ワイダ監督の『抵抗三部作』に続いて観てみる。  …御年87歳時の最新作だ。  …名前の読み方は、『ワレサ』ではなくて、ポーランド語読みすると『ヴァウェンサ』が正しいらしいが、以下、『ワレサ』と記述する。  …あらすじは、解説のとおり。  イタリアから女性ジャーナリストがワレサの家にやってきて、ワレサにインタビューをする形式で始まり、先ずは、1970年に起こった食糧暴動騒動からスタートする。  映像は、時折、モノクロにカラーがオーバーラップしたり、当時のドキュメント映像を交えたり、画面サイズも16ミリ?サイズになったりして、ワイダの映画作りに対する拘りが随所に見られる。  ワレサは一介の電気工に過ぎなかったが、1980年、多くの労働者を率いて独立自治労組の『連帯』を創設する。  しかし、1981年の「戒厳令」の布告によって軟禁されてしまうが、1982年にソ連のブレジネフ書記長の死亡に伴って軟禁を解かれる。  *この「戒厳令」の布告によって、ワイダもポーランドを追放されたのではなかったか?  その後、1983年にはノーベル平和賞を受賞し、1989年の自由選挙で『連帯』が圧勝し、1990年11月の大統領選挙で当選し、同年12月に大統領に就任する  そんなワレサの半生が、軽快なロック・ミュージとともテンポ良く描かれている。  その歌詞がテロップで流れるのだが、『社会をひっくり返すんだ。向こう見ずな決断だけど、体制を覆せ。』等々、セックス・ピストルズを彷彿とさせる音楽はかなりカッコ良かった。  大統領にまで登り詰めたワレサだったが、普段の彼の素顔は、幾分か不遜な仕種が見受けられるものの、ユーモアがあり、そして何よりも奥さんと6人の子供をこよなく愛した家庭人のように感じた。  そして、その奥さんがなんといっても立派だった。  その立派な奥さんが、ある日、とんでもないことをされてしまうのだ。  ノーベル平和賞を受賞したことは先に書いたが、ワレサは自分が授賞式に出席すると二度とポーランドへ帰れなくなるとして、奥さんに代理出席して貰うことにする。  そして、奥さんはワレサに成り代わって見事にスピーチをやり遂げたのだが、ポーランドへの帰国の空港で屈辱の全裸検査を強要されてしまったのだった(オ〇リのア〇まで!)。  ワイダは、官憲のオゾマシサを徹底的に暴き立てないことには気が済まなかったのだろう。  なお、アイルランド出身のロックバンド『U2』のヒット曲『ニュー・イヤーズ・デー』は、『連帯』をテーマにした楽曲であった。  エンディングで流してくれたら、もっと興奮しちゃっただろうなぁ。  2007年の『カティンの森』では度肝を抜かれ、2009年の『菖蒲』では幾分かガッカリしたが、本作では再び本来のワイダに出会えた作品となった。

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