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思い出のマーニー (2014)

監督
米林宏昌
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  • みたログ 5,094

3.64 / 評価:4652件

新鮮な魅力の主人公。展開はもう少し…

  • my******** さん
  • 2020年6月22日 1時15分
  • 閲覧数 1158
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

他のジブリの主人公はいつも、好奇心、優しさ、勇気を兼ね揃えていて人間としてお手本を示す存在だったのに対し、今作主人公の杏奈は闇を抱えてしまった現代の子供。孤立してしまっている様や悩みに押し潰されてしまっている様はとても共感ができ、いつもの逆をつく新鮮な良い設定だと感じた。彼女を取り囲む環境、病気、裏に微かに感じる性的趣向など、「他の人と比べて」という点からくる心の闇がよく伝わってくる。とくに性的趣向に関しては明確に描かない手法を取ることによって、杏奈の「他人と違うからどこか恥ずかしく感じているが、突き詰めるほど自覚をしていない」という状況が見事に表せていたように感じる。

話の展開に関しては冒頭は杏奈の置かれた状況に共感し期待が高まったが、そこから最後の30分前までの中間は「じらし」の時間に大半を費やしていたので少し物足りなかったのも事実。何度も屋敷を行ったり来たりし、その中には屋敷の見える水辺まで降りていったが結果、あまり意味を持たないシーンもあった。また、潜在意識による夢のシーンが多数を占めており、「これはおかしいぞ」と誰もがすぐに感じる。だからこそ「じゃあ、このおかしさにどう落とし前をつけるのか」と観客の結末への期待が高まりすぎてしまう、もしくは「どうせ夢の話だろ」と中盤で冷めてしまう要因にもなっていると思った。自分はその冷めてしまった時に「そんなにしょっちゅう寝落ちしないし、現実と混同しないでしょ」と薄っすら思ってしまった。そもそも「夢の話」ってやはり映画的リスクが高いと思う。そうであって欲しくないの代名詞だから。それも相まって、満足度が下がってしまったのも分かる気がする。最期のネタバラシも主人公が驚く前に、こちらが悟れる程度なので展開的にはちょっと残念。

しかし、やはり「アイデンティティ」にまつわる話という現代的なテーマを扱った事は逆に新鮮であり楽しめた。主人公の背負っているものも、観客にとって共感しやすい。テーマ性は完璧で他のジブリ作品とも差別化できる。だからこそ少しもったいないなとも感じてしまった。原作を完璧に再現している作品でないからこそ、脚色のしようがいくらでもあったと思う。この「あからさまにマーニーが夢と分かるシーンの連続で繋ぎ、結果予想通り杏奈とマーニーは関係があって、そこからくる夢でした」という流れをどうにか一捻りし驚かせて欲しかった。

詳細評価

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