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やさしい本泥棒 (2013)

THE BOOK THIEF

監督
ブライアン・パーシヴァル
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3.76 / 評価:229件

天才子役!彼女のキャリアが伸びますように

  • うそつきカモメ さん
  • 2017年11月21日 15時56分
  • 閲覧数 825
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

どうやら、有名な原作をもとに映画化されたようですが、不覚にも私は聞いたことのない作品です。ただ、なんとなく気になるタイトルだったので見てみたら、主役の女の子にすっかり魅了されてしまいました。

「ギリーは幸せになる」(別タイトル「ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」)で主役のギリー役を演じきったのが2016年。16歳の時。

映画的にはお父さん役のジェフリー・ラッシュが先にクレジットされますが「━━本泥棒」の主演を務めたのが13歳の時。まさしく天才。この少女は見る人に何かを伝える演技をもっています。

ナチス政権化のミュンヘンを舞台に、およそ5年間の戦争体験が綴られますが、ちょっと大人びた表情まで、見事に演じ分けます。

ドイツ人ですら、生きるのが大変な時代だったのだと、あらためて知りました。ましてユダヤ人は、歴史で語られる通り、いわれのない迫害を受け、生命と財産を容赦なく奪われます。

そんな時代に必死で生きた人々を、少女の目を通してていねいに描いた感動作。少し長めですが、おすすめです。

印象的な主題をさりげなく繰り返す音楽も、出しゃばり過ぎずに場を盛り上げてくれますが、なんとあの巨匠ジョン・ウィリアムスが手掛けていました。

ただし、ストーリーテラーを担当するのが「死神」で、映画の最後までその姿を見せませんが、彼がそれぞれの魂を迎えに来た時に、その人間がどう生きたかを総括するような役割を果たしています。この演出にはちょっとついていけません。

「人間はいつか死ぬ。じたばたするな。自己紹介が遅れたが、どうせすぐ会える。生きている人間とは距離を置く主義だ」「だが、この少女リーゼル・メミンガーは、なぜだか気になって惹きつけられてしまった」こんな調子の語りで、物語が進行していきます。小説を綴るうえで避けられないのが、一人称か三人称か、誰目線で物語を進行していくかと言うことですが、かなりの変化球で、あたかも登場人物の生殺与奪を「死神」が握っているかのような誤解を受けます。

実際には、死神の目を通して見た戦災孤児の物語なだけで、たとえば孫がおばあちゃんに聞かされた昔話でも、焚書から焼け残った本を守った少女の言い伝えとでも、どうにでも語ることが出来たであろうに、わざわざ死神目線で物語を進行するなんて、原作に引きずられ過ぎです。せめて彼らの死に際を見つめている人なり、人間以外の何かが映っていれば、話をすんなり理解できただろうに、演劇におけるナレーターと同じ働きにしか思えないので、「死神」である必要があったのか?と。感じました。

この映画は、死神の目を通して語られる、数奇な運命をたどる魅力的な少女の物語ですが、死神の能力は一切使われません。ただ死んだ人間の魂を迎えに行くだけのことなのに、てごころを加えて「この人間はまだ生かしておきたい」とか、そんな展開を期待してしまいます。

それ以外は本当に素晴らしい、心に沁み込んでくるようないい映画でした。

ソフィー・ネリッセ。いつか大女優になり、人々に感動を届けることを期待します。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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