ここから本文です

猿の惑星:新世紀(ライジング) (2014)

DAWN OF THE PLANET OF THE APES

監督
マット・リーヴス
  • みたいムービー 331
  • みたログ 2,259

3.86 / 評価:1,509件

解説

名作SF『猿の惑星』の前日譚(たん)『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の続編。ウイルスによって滅亡状態に陥った人類と、遺伝子の進化を経て知能や言語を得た猿たちとの対峙(たいじ)が思わぬ事態を引き起こしていく。前作に引き続き、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのアンディ・サーキスがモーションキャプチャーを駆使し、猿のリーダーとなるシーザーを熱演。その脇を『ホワイトハウス・ダウン』などのジェイソン・クラークや『裏切りのサーカス』などのゲイリー・オールドマンが固める。人類が衰退した世界の衝撃的なビジュアルに言葉を失う。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

自らが生み出したウイルスによって、人類の90パーセントが死滅した2020年代の地球。サンフランシスコでは、かろうじて生存している人類と驚異的な遺伝子進化を遂げた猿たちのコミュニティーがゴールデンゲートブリッジを挟んで存在していた。人類のコミュニティーでは、衰退を食い止めるためにも、猿たちと対話すべきだとする者、再び人類が地球を支配するべきだとする者たちが、それぞれの考えに従って動き出す。一方、猿たちを率いるシーザー(アンディ・サーキス)は、人類と接触しようとせずに文明を構築していた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2014 Twentieth Century Fox
(C)2014 Twentieth Century Fox

「猿の惑星:新世紀(ライジング)」娯楽性と硬派なテーマを見事に両立させて、無敵のシリーズに成長

 まずは、スクリーンに猿(及びほかの動物)しか出てこない冒頭15分余りがとんでもなく素晴らしい。作品冒頭における猿のシーンといえば、映画ファンなら誰もが「2001年 宇宙の旅」を思い浮かべるだろう。オリジナル版「猿の惑星」の1作目が公開されたのは、「2001年 宇宙の旅」と同じ1968年(なんと日本公開は同じ週だった)。いずれもSF映画ブームの先駆けとなった不朽の名作だが、映画史において絶対的な地位を築いた「2001年 宇宙の旅」と比べて、「猿の惑星」は長らく単なる娯楽作品として軽んじられてきた節もあった。モーション・キャプチャー技術がもはや進化の過程ではなく完成形に達したと言うべき本作「猿の惑星:新世紀(ライジング)」冒頭の目を見張るアクションシーンは、そんな「猿の惑星」から映画ファンへの約半世紀越しの回答なのではないか。

 前作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」が何よりもその秀逸かつ綿密な脚本によって高い評価と支持を得たように、本作もまた、その練りに練られたストーリーに夢中になっているうちに、あっという間にクライマックスがやってくる。前作と比べると前シリーズの細部へのオマージュ要素は少なめだが、本作における重要なテーマとなるのは前シリーズの有名な格言、「猿は猿を殺さない」である。人間は人間を殺す。猿は猿を殺さない。したがって、人間は猿よりも劣る。そんな猿側の正義を担保していた三段論法が、しかしここでは崩れていく。そこに敢えて踏み込むことによって、我々が生きている現実の世界において絶え間なく戦争/紛争が起こり続けているメカニズムを解き明かしていくのだ。

 舞台となるのは、前作から10年後のサンフランシスコ及びその郊外の森で、その“外の世界”で他にも生き残っているはずの人類について、本作はほとんど描いていない。原題の通り、これはまだ“DAWN”=夜明けでしかないのだ。ストーリー上においても、本作が世界各国で前作以上の大ヒットを記録したという点でも、今後も必然的に大幅なスケールアップが約束されている本シリーズ。ハリウッド大作好きならば、これを見逃すという選択肢は考えられない。(宇野維正)

映画.com(外部リンク)

2014年9月18日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ