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5つ数えれば君の夢
2014年3月8日公開

5つ数えれば君の夢

852014年3月8日公開

コバルト

5.0

ネタバレ傑作でしょ!

いやーこれは久しぶりに衝撃を受けたなあ。 この監督の映画、これまで観てないことを後悔した。 学園祭のミスコンが間近に迫り、立場の違う5人の女子とその周辺に 起きる小さな出来事が重なって、ミスコンであるクライマックスを迎える っていう『桜の園』って映画を思い出す構成なんだけど、 とにかくこの監督が書く台詞が素晴らしい。高学歴のお嬢様の嫌味のない嫌味さを感じなくもないけど、哲学的な台詞の応酬が少女たちの抱える葛藤を少しずつ掘り起こしていって、だんだんと少女たちの抱える葛藤が普遍性を帯びてくる感じ。 5人それぞれキャラクターはあるけど、描かれるテーマは「孤高の存在とそれへの憧れ、劣等感」である。 少女っていう守られた存在だからこそ、ここに自分の存在が大地震を起こすほど葛藤を抱えるわけで、それはこの人たちにとってはとても正しい。 正しく揺れ動き、時に相手の中に入り込んで壊してしまうような危うさが描かれて、そんな交友関係は二度と築けないなあと嫉妬させられ、クライマックスで一人の女の子が起こす勇気のある行動に私は涙させられました。 何人かの登場人物が抱える葛藤(劣等感)が似ていて、同じような観念的な台詞でそれが語られるのが難といえば難かも知れないけど、それはこの作品が語ろうとしている普遍なので自分は気にならず。強者のグループと弱者のグループ、中間のグループの中に同じような劣等感→恋という図式が存在するというのがむしろ小さな発見として新鮮に見えた。 あと、男性キャラクターがありえないっていうのも、むしろ自分は男性の嫌な部分(無意識に女性を馬鹿にしてるとことか、嫌悪してるとこ)を描くのが上手いなーと思って観ました。 構成もあざとくなくて、綺麗な三幕構成になってます。 間違いなしにこれは天才の作る映画だと思いました。 時流にも乗っているようで、過去作が本当に観たい監督です。

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