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マエストロ! (2015)

監督
小林聖太郎
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3.44 / 評価:905件

☆音霊が人生を豊かに深く、前へと進む☆

今作を観ようと思った最大の動機は、
観た日が映画の日で、1100円で鑑賞できること。
そして、miwaさんが映画初出演で瑞々しい
演技をみたいからですが・・・(笑)。

正直、この映画を鑑賞する前は、
2009年制作のフランス映画『オーケストラ!』の
二番煎じのイメージをしていたのだが、
結論から言えば、オーケストラという名のもとで、
心が一つになる点では共通だが、
背景の見せ方、正体が日本らしい映画であること。
音楽の奥深い世界と、
人生の辛辣なリアルさと対比する大切なアイコン。
それが、人生の深さ、音楽の深さと絡み、
面白い映画へとなっています。

解散した交響楽団。
優秀な人材は、別の楽団へ移り、
結局、落ちこぼれの人材が残った状態で、
謎の人物、天道徹三郎のもとで、
一か月後に開かれる、再結成コンサートの為、
儲かる仕事に匹敵する技術力に仕上げる為、
スパルタ指導がはじまるのだが・・・・。

楽団員のそれぞれの苦しい境遇。
元交響楽団に居たというプライド。
それが、結果的に、心がバラバラになり、
美しい音を奏でず、苦しめているという現実。

それを、天道徹三郎が、
強引とも言えるアプローチで、毒づきまくるのだが、
奥にある、音楽への愛が、楽団員の心を揺り動かす。

天道徹三郎が何故、ここまで楽団にこだわるのか?
それぞれの楽団員が奏でる音を通じ、
哀しき背景と、その背景が音として映し、
映画を深く見せているのが好印象でした。

この映画が素晴らしいのは、
人生訓とも言える、台詞の数々。
強烈に残っているのがこの4つの台詞。
「演奏は指揮者と演奏者の決闘だ。
どっちが先にピストルを抜くか。」
「これが最期だと思って演奏した事があるか」
「人ひとり殺すつもりでやれ」
「音楽は一瞬。でも誰かと響き合えたら永遠になる。」
その台詞の奥にあるモノを感じ取って欲しいのですが。

今作は、☆満点。
不満があるとすれば、
『運命』や『未完成』の演奏時間が短かったこと。
天道徹三郎を演じた、西田敏行さんのデフォルメ的な演技や、
二段オチとも言える後半の流れも賛否が分かれるかもしれません。

しかし、そういうネガを一蹴させて、
気にならなくさせてしまう、この映画の凄いのは、
一つの集大成となった、
2日間のオーケストラ演奏を通じ、
人が究極の世界に触れた時に感じるもの。
その描き方が素晴らしいということ。

1日目の『運命』で、真剣に前向きに向かうことの意味。
2日目の『未完成』で、感じる究極の世界。

それは、音霊が、人生を深く、豊かになるもの。
そして、人の心を震わせ、感動させるものであると。
これは、音楽の世界だけではありません。

この映画の台詞に天籟(てんらい)という台詞があります。
それは、音を超えた究極の世界。
この映画を通じ、誰でも感じることができます。
そして、観る人の人生を豊かにしてくれるでしょう。
正直、日本でこういう映画が出来るとは想像できませんでした。

口コミでこの映画の面白さが拡がってもらいたい。
私はそう思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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