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ローマに消えた男 (2013)

VIVA LA LIBERTA/LONG LIVE FREEDOM

監督
ロベルト・アンドー
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3.47 / 評価:79件

解説

『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのトニ・セルヴィッロが一人二役で主演を務め、イタリアの政界の裏側に迫るヒューマンドラマ。行方をくらました政治家の弟の替え玉となった兄が、次第に大衆を惹(ひ)き付けていくというエキセントリックな物語が展開する。主人公の部下を『天使が消えた街』などのヴァレリオ・マスタンドレアが演じ、元恋人を『華麗なるアリバイ』などのヴァレリア・ブルーニ・テデスキが好演。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

イタリア統一選挙を目前に控えたある日、支持率が伸び悩む野党をけん引するエンリコ(トニ・セルヴィッロ)が突然ローマから姿を消す。彼の側近アンドレア(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、急場しのぎにエンリコの双子の兄ジョヴァンニ(トニ・セルヴィッロ)に代役を頼むことにする。二つ返事で引き受けたジョヴァンニは、あっという間に人々を魅了し……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Bibi Film (C)Rai Cinema
(C)Bibi Film (C)Rai Cinema

「ローマに消えた男」奇想天外なプロットを成立させるのは、じわじわと光る脇の実力者の名演技

 選挙を目前に控えたある日、政権交代をめざすイタリア最大の野党を率いるエンリコが突如、ローマから姿を消す。参謀アンドレアはエンリコに双子の兄弟ジョヴァンニがいることをつきとめ彼を代役に立てる。心を病み収容されていた施設を出たばかりのジョヴァンニは、狂気と正気のあわいで歯に衣着せぬ熱弁をふるい、カリスマ的な人気を獲得、低迷していた党の支持率もめきめき上昇してしまう――。

 軽やかに笑いをまぶしつつ真に志ある指導者不在の今を突く映画は、日本の、世界の現実をも痛烈に思わせる。チャップリンの「独裁者」も視界に入れたこの風刺コメディの駆動力となっているのが「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」「ゴモラ」「眠れる美女」そして「グレート・ビューティー 追憶のローマ」とイタリア映画をしょって立つ芸達者トニ・セルヴィッロだ。表情筋を駆使して双子の陰陽を絶妙に色づけるおかしくてやがて悲しい快演は、時にやりすぎ感が漂いもする俳優の弱点さえも味方につけて退け難い磁力を発揮する。が、セルヴィッロのこってりと濃い演技の凄みをどこまでも受けの芝居で吸収し、じわじわと光るアンドレア役ヴァレリオ・マスタンドレア(「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」)の存在も忘れるわけにはいかない。切羽詰って断行した替え玉作戦の成果についうっとりとなるさりげなくも微笑ましい一瞬。マスタンドレアの演技と見えない演技はぬかりなく観客の気持をそこで象ってしまっている。

 いっきに突っ走る奇想天外なプロットを成立させているのが実はそうした衝撃吸収材的役割を確実にきめる脇の実力者。と改めて確認してみると、リーダーと同じ位に今、政治の世界が求めているのもそんな存在――などと、余計なことを口走りたくもなる。ボディブローのように効いてくる原作・脚本・監督ロベルト・アンドの風刺の牙のせいだろう。(川口敦子)

映画.com(外部リンク)

2015年11月12日 更新

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