途中までは☆4 でも…
- おすし さん
- 2019年5月23日 23時56分
- 閲覧数 3320
- 役立ち度 7
- 総合評価
妻を殺した後子供達と山へ行き、山のなかに忽然と表れた山小屋へ足を踏み入れそこで子供達と無理心中しようする父親…というショッキングな展開からこの映画は始まる。
子供を撃とうとした瞬間に背後から現れた何かに絞め殺される父親、山小屋で取り残された子供達と「得体の知れない何か」、そしてその「何か」は子供達へ優しくさくらんぼを転がし…絵でそこからの子供達の生活を表すオープニングへ。
ここまでは久しぶりの良質ホラーの雰囲気にワクワクしました。
しかし!5年間財産を叩いてまで兄と子供達を捜索しようやく引き取るまでした弟(子供達のおじさん)が即効ママにぶん殴られ早々と退場(入院)した辺りから嫌な予感が…。
結局あの家で一番怖い思いをしながら頑張ったのは全くの赤の他人であるアナベルさんであった…本当に気の毒すぎる。
精神科医は早めに事件の核心に迫っていたのにアナベル達には何も伝えず何故か夜中にあの山小屋へ一人で赴きます。
「終わらせる!」みたいな事言って勇み足で向かったもののママのパワーで自分の人生をジエンドさせてしまうのでした。
赤ん坊の遺体も置いたまま何しに行こうとしてたんだよ!
と、このようにとにかく出てくる男が全員役立たずな上に風貌で誤解されやすいアナベルは虐待疑惑まで掛けられる始末。
何かもう色々可哀想過ぎるだろ。
ママは崖から身を投げあんな化け物になってもかいがいしく子供の世話をして守るほど「子供」に執着していた。
そしてようやく自分の(かどうかは不明だが当時の)赤ん坊の亡骸を手に入れ涙する。
しかし…「やっぱり生きてる子供がええわァー!」とでも言うように亡骸を投げ捨て再び子供達を連れていこうとするのだ。
設定に不明な点が多い上に唯一ハッキリしていた赤ん坊への執着すらこのブレブレっぷり。恐れ入ります。
ママへの掘り下げ不足、「この家とあそこの繋がり」「不気味な人形」などなど意味が有りそうだった設定が何の解明もされぬまま多くの謎を残してこの映画は終わる。
ママに胸をブスッと貫かれた弟もなぜか生きている。生きとったんかワレ!
最後はハッピーエンド風だが観ているこちらは「は?」である。
唯一言えるのはアナベルの母性が素晴らしいこと。恐らく母からあまり愛情を注がれてこなかったであろうアナベルは初めは子供の扱いが分からず四苦八苦しながらも不器用な母性を一生懸命注ぐ。
そして少しずつ心を開く子供達。
もはやホラー描写を省いてこのヒューマンドラマをもっと観たかった気もする。
これだけ素晴らしい導入と設定、アナベルや子供達の演技をここまで活かしきれなかったのは勿体ない。
いつか才能のある方の脚本のもともっと上手くリメイクされる事を願う。
詳細評価
イメージワード
- 悲しい
- パニック
- 不気味
- 恐怖
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