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ショート・ターム (2013)

SHORT TERM 12

監督
デスティン・ダニエル・クレットン
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4.00 / 評価:545件

解説

ロカルノ国際映画祭ほか世界中の映画祭や映画賞を席巻した、未成年の保護施設を舞台に生きる喜びを描いた感動のヒューマンドラマ。ティーンエイジャーをケアするための短期保護施設で働くヒロインの心の闇や、彼女を取り巻く施設の子供たちが心に受けた傷を丁寧にすくい取る。監督と脚本は、これまでショートフィルムなどを手掛けてきたデスティン・ダニエル・クレットン。主演は、テレビドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」シリーズなどのブリー・ラーソン。人とのつながりや人の温かさを感じさせる、珠玉のストーリーが心に響く。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

問題を抱える子供のためのグループホーム「ショートターム12」で働くグレイス(ブリー・ラーソン)。グレイスは、新入りのジェイデン(ケイトリン・デヴァー)という少女を担当することになる。グレイスは施設の同僚メイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)と付き合っていたが、ある日、妊娠していることが判明する。そんな中、グレイスはジェイデンが父親に虐待されていたことに気付き……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 Short Term Holdings, LLC. All rights reserved.
(C)2013 Short Term Holdings, LLC. All rights reserved.

「ショート・ターム」人間同士の微妙な距離感がドラマを生み出し、幸福感を味わわせてくれる繊細な映画

 人間同士の微妙な距離感がドラマを作り出す。距離が離れれば緊張が生まれ、近づけば感動が生まれる。それを、これほど繊細に表現した映画を他に知らない。

 原題の「ショート・ターム12」は、家庭や心に問題を抱えた10代の少年少女が暮らす短期保護施設の名称。ここで働くグレイス(ブリー・ラーソン)たちケアテイカーには遵守すべき規則がある。施設の敷地外へ飛び出た子どもの身体に触れてはいけないというものだ。だから、逃亡した子どもを連れ戻す時も、ひたすら追いかけ、言葉で説得し続けるしかない。セラピストでも教師でもないケアテイカーに求められているのは、あくまでも子どもたちを「見守るスタンス」。それが、彼らに許された距離感だ。

 その許容範囲の狭さに、グレイスたちは歯がゆさを覚える。が、それでも子どもたちとの距離がわずかに縮まり、瞬間的に心の扉を開いてもらえることもある。たとえば、親の虐待を受けていた少年が「傷が治ったかどうか見てくれ」と頼んでくるとき。あるいは、自傷癖のある少女がためこんでいた怒りを吐き出すとき。グレイスたちの胸には子どもたちへの愛おしさがこみ上げる。そして、それはそのまま私たちの胸を満たすものになる。

 個人的な事情から、ある少女への「見守るスタンス」を逸脱していくグレイスは、同僚で恋人のメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr.)との距離感についても葛藤を抱え込む。そんな彼女の人間的な成長をたどる物語を通じて語られるのは、ケアテイカーの本当の意味だ。短い人生(ショート・ターム)の中で、自分を気に掛けてくれる人(ケアテイカー)との出会いがどれほど貴重で、どれほど意義あるものか。それをデスティン・クレットン監督は感傷モード0%で描き上げた。あの少女にはグレイスがいて、グレイスにはメイソンが付いている。そう考えただけでふっと心が軽くなり、安らいだ気持ちになる。こんな幸福感を味わわせてくれる映画はそう多くない。(矢崎由紀子)

映画.com(外部リンク)

2014年11月13日 更新

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