ここから本文です

ソロモンの偽証 前篇・事件 (2015)

監督
成島出
  • みたいムービー 275
  • みたログ 3,257

3.43 / 評価:2431件

解説

人気作家・宮部みゆきのベストセラーを実写化した、ミステリー2部作の前編。ある中学校で起きた不可解な生徒死亡事件と、その真相を暴こうする女子生徒が開く学校内裁判の行方を追い掛ける。監督を務めるのは、『孤高のメス』などの成島出。『超高速!参勤交代』などの佐々木蔵之介、『小さいおうち』などの夏川結衣、『八日目の蝉』などの永作博美といった実力派が結集、大規模オーディションを敢行して舞台となる中学校クラスの生徒役33人を選出。事件を機に浮かび上がる、人間が抱える闇の深さに息をのむ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会
(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会

「ソロモンの偽証 前篇・事件」作り手と選ばれし少年少女たちの覚悟が生んだ学園サスペンスの見応え

 さまざまな「覚悟」が積み重なり、融合し、化学反応を起こした結果、見応えのある重層的な群像ミステリーが誕生した。2000ページを優に超える宮部みゆきの傑作小説を、二部作とはいえ映画化を実現させた製作陣の覚悟。中心となる中学生の配役をすべてオーディションで選び、長期にわたるリハーサルで鍛え上げた成島出監督の覚悟。そして、選りすぐりの少年少女たちの覚悟を持った芝居に引き込まれていった。

 クリスマスイブの夜に校舎の屋上から転落死した中学2年の男子生徒。状況から自殺と判断されるが、殺人だとする匿名の告発状が学校などに届く。同じ学年の生徒が容疑者とされ、容赦ないマスコミ報道や煮え切らない学校側の態度に業を煮やしたクラス委員の藤野涼子は、学校内裁判を開き真実を突き止めようとする。

 藤野自身が遺体の第一発見者となり、送られて来た告発状を読むという、原作にはない要素を盛り込んだことでドラマ性が際立ち、彼女が物語の軸であることを明確に提示したストーリーテリングが秀逸。その藤野は、役名をそのまま芸名にしてデビューするという覚悟も相当なものと推察でき、実に堂々と同級生たちをけん引する。多感な中学生らしさも持ち合わせ、久々に大型新人の雰囲気が漂う。

 ほかの同級生や親、教師らがそれぞれの覚悟を持って裁判に向き合おうとするところでひとつの帰結を迎えるが、二部作にありがちな“壮大な前振り”のような過ちは犯していない。カタルシスを心に内包したまま、「後篇・裁判」の“判決”を覚悟して待ちたい。(鈴木元)

映画.com(外部リンク)

2015年3月5日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ