高い標的

THE TALL TARGET

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高い標的
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(2件)

悲しい7.1%かっこいい7.1%セクシー7.1%勇敢7.1%不気味7.1%

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ南北戦争直前の歴史夜話

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • eig********

    4.0

    列車ミステリーの知られざる逸品!

    「高い標的」ってなんじゃらほいと思ったら、「背が高い」のね。 アメリカ史上、最ものっぽの大統領エイブラハム・リンカーン。 なんでも193センチあって、巨人症の可能性も疑われているんだそうな。 おそらく、アメリカ人では「The Tall Target」と言われただけで、「ああ彼のことか」とわかるくらい、リンカーン=でかい、のイメージは普遍的なのだろう。 単にでかいだけでなく、大学時代はレスリングで負けなし、ついでに、若いころはハンターとしてヴァンパイアやゾンビまで狩りまくっていたらしい(という小説と映画を観た)。 本作は、これから就任式に向かう次期大統領リンカーンを暗殺せんともくろむ組織と、彼らの正体を暴こうと奮闘する(元)刑事の、手に汗に握る攻防を描いた物語である。 舞台となるのは、ニューヨークを出てボルチモアを経由し、ワシントンDCを目指して疾走する列車内。 実はこれ、汽車に乗り込むところから始まり、ラストに至るまでほぼ登場人物ほぼ全員がそのまま乗っているという、正真正銘の「列車ミステリー」なのだ。 列車もの(走行中のミステリー&アクションに限定)の名作といえば、『バルカン超特急』『オリエント急行の殺人』『鬼滅の刃 無限列車』、少し裾野を広げれば『ロシアより愛をこめて』『軍用列車』『北国の帝王』、さらに裾野を広げれば『カサンドラ・クロス』『大陸横断超特急』『テラートレイン』『暴走機関車』『シベリア超特急』『15時17分、パリ行き』など、それこそ枚挙にいとまがないが、本作は駅でときどき列車周辺に降りることはあっても、駅からすら出ることのない、まさに「純正」の列車ミステリー&エスピオナージュである。 列車内の誰が、リンカーン暗殺組織の一員なのか? それぞれのキャラクターの間で、虚々実々の駆け引きが展開される。 とにかく、機関車のフォルムと、もくもくと噴き出す蒸気が、モノクロームの闇に映えて美しい! これぞフィルム・ノワールといいたくなる仕上がり。 奥行きのある、徹底的に縦方向に特化した画面作りも特徴的だ。 アンソニー・マンといえば高低差を空間表現に取り入れることでよく知られるが(オープニングからして、長く引き伸ばされた「TALL」の文字がスターウォーズばりに上方奥へと流れていく!)本作では人は常に手前から奥に、もしくは奥から手前に移動し、手の込んだ縦方向のカメラワークを見てとることができる。 さらには、屋根と車体間、車体とレール間の高低差も、アクションや場面転換に巧みに利用される。 われわれは、リンカーンがやがて暗殺されることを知っているし、就任式前夜には「まだ」暗殺されないことも知っている。 だからこそ、ある種の安心感をもちつつも、リアルに事件を見られる部分もあるかもしれない。 犯人当てや敵との攻防のみならず、小包の謎、停車時間の謎など、幾多の興味深い謎が有機的に織り込まれており、それがラストまでにきれいに解決される。 南北戦争前夜の地域間の根深い対立や人種問題について、印象的なシーンがいくつも挿入されていて、事件の背景となる空気感をよく伝えているのも作品の魅力だ。 主演を務めるのは、ディック・パウエル。かつては音楽界のスターだったが、44年の『さらば愛しき女よ』でフィリップ・マーロウを演じて新たなキャリアを打ち立てた。それから7年、すでに初老の雰囲気が漂い、顔も少し米山元新潟知事みたいになってきているが、きびきびと堅物の刑事を演じて好印象。脇役もそれぞれいい味を出している。 ちなみに刑事の名前がジョン・ケネディというのは、意図的なものなんだかどうだか。1951年というと、まだケネディは有望な下院議員といったところだったけど……。 ラストのタネあかしも爽快の一言。 きわめてすっきりした気分で、映画を観終わることができる。 完成度の高い、知られざる佳作である。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
高い標的

原題
THE TALL TARGET

上映時間
-

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル