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一分間だけ
2014年5月31日公開

一分間だけ

A MINUTE MORE

1122014年5月31日公開

edo yabo

2.0

ネタバレ原田マハの世界が描けたか?

原田マハ原作の小説を台湾で映画化されました。原田マハと言えば、「カフーを待ちわびて」。この小説も映画も好きなので「一分間だけ」も鑑賞してみました。 原作小説を基に、舞台を台湾に移して映画化しています。 設定が台湾なっていることもありますが、原作とはちょっと雰囲気が違うように感じました。 ファッション業界がどうなっているのかが垣間見えたり、台北郊外のロケーションは調布(原作)とは違った自然が感じられました。 ファッション誌編集者である主人公ワンチェンが、非正規社員から頭角を現しキャリアウーマンとして進んでいく姿と、主夫的な恋人ハオジエとの同棲生活、そしてひょんなことから飼うこととなったゴールデンレトリバーのリラ仕の世話、そしてその全てが行き詰まり苦悩する姿が描かれています。 犬好きの女性が見たら涙ものだろうなとは思いました。 とにかくリラがかわいい。健気で無償の愛に生きているという感じです。 主人公の苦悩の真っ只中で、リラがガンになり、余命はわずかと宣告されてしまいます。 仕事・恋人・愛犬、全てを失うかもしれないとき、見失っていた何が大切なのかを気付かされます。 取り戻せないかもしれないけれど、そこには確かに家族の時間がありました。 ワンチェンはリラのママだった。 ということなのですが、映画に中で、ワンチェンはリラに十分に愛情を注いではいないようで、病気の世話も必死にしているように見えなかったので、苦悩が自己満足的なお涙頂戴に見えてしまいました。 それは僕が男であるからかもしれません。きっと理解が足りないのです。 主人公は、物語は犬の世話がなかなかできないキャリアウーマンということです。社会に出ている女性が子を産み、育児をするとき何を優先するのか、仕事はどうする、夫はどこまで協力的か、子供が病気の時はどうしよう、という普通の子育ての構図がそのまま当てはまっているように感じました。 そういう意味では日本も台湾も、きっと環境整備されていないのだろうと思ってみていました。 物語は、バッドエンドから立ち直るきっかけとしての、ラストシーンとして「一分間だけ」が余韻を残します。原作通りが全てではありませんが、この一分間はいろいろな意味と感情を持たせることができるので、男女の機微を描くとき、有効かもしれません。 そう思って物語を振り返ると、原田マハの世界を描き切っていなかったのかなあ、と思いました。

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