2014年6月7日公開

ポルトレ PORTRAIT

702014年6月7日公開
ポルトレ PORTRAIT
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

将来の展望のない19歳の青年(吉村界人)の唯一の日課といえば、ポラロイドカメラで自分のポートレートを撮ることくらいで、死んだような日々を過ごしていた。毎晩あてもなく渋谷の街をさまよう彼は、さまざまな境遇の人々が行き交う場所に遭遇。そこである女性(松本まりか)に出会ったことで、青年のうつろな心は揺れ動き……。

シネマトゥデイ(外部リンク)

作品レビュー(3件)

ロマンチック20.0%悲しい10.0%かっこいい10.0%セクシー10.0%不思議10.0%

  • kot********

    1.0

    自己愛に溺れ、細部が甘過ぎる。

    予告編を観て「いかにも自意識過剰な学生アート映画だなぁ~」と思ったが、 モノクロ・カメラ固定・写真(ポラロイド)と、好きな要素が三つもあったので、淡い期待を持って観に行ってみた。 が、残念ながら、やっぱり若者特有の自己愛だけが突出した、ただ退屈なアート映画だった。 無論、自己愛だけの鬱屈した若者像を描くこと自体がダメなわけではない。 新米監督が自主制作するのだから、監督自身が抱えている問題を撮るべきで、作品は監督の映し鏡であるべきだ。 その意味では、内田監督は背伸びせず、真摯に自分の内面と向き合ったのだろうと思う。 自己愛をテーマにすること自体は悪くない。 それは、特に若者にとっては、普遍的なテーマだからだ。 ただ、この『ポルトレ』には、見苦しい自己愛以外なにも無いのが問題なのだ。 本作には、セリフがほとんど無く、ストーリーの起承転結も無いに等しい。 つまり監督が目指したのは「お話」ではなく「映像詩」のようなものであろう。 やりたい事はよく解るのだが、これが上手くない。 構成と演出について、思索が足りていない点をいくつか挙げてみよう。 ●主人公はポラロイドでのセルフポートレイトを日課にしている。 これは、彼が自己の内面に何かを見付けたいという、自己愛を象徴する場面だ。 しかし、彼は撮ったらすぐに写真を缶に入れ冷蔵庫にしまっておく、なぜか写真に写った自分を見ないのだ。 いっぽう、彼が鏡の前に立ち、自分の顔を撫でまわしながら細かく観察する場面がある。 この2つの行動は明らかに矛盾している。 彼は自分の殻に閉じこもり、自分の内面ばかり見ている男なのだから、素直に写真を見るべきなのだ。 なぜ、写真を見ないように演出したのか? たぶん答えは、女と彼自身の写真をライターの火で見るというラストシーンまで、写真を見る行為と写真に写った姿を登場させず、とっておきたかったのだろう。 このために、大事な主人公のキャラクターに矛盾が生じてしまっている。 ●ポラロイドカメラでのセルフポートレイトが、本作の最も重要なモチーフなわけだが、ポラロイドという特殊性が活かされていない。 見た目として「画になる」以上の意味がない、つまり、ポラロイド写真でなければならない必然性を考えていない。 現実的には、デジカメや写メを使うほうが自然なのだ。 まったくジャンルの違う映画だが『メメント』には、ポラロイド写真でなければならない必然性と、それが、物語のキーポイントとなる仕掛けがある。 この違いを考えると、単にオシャレだからポラロイドにしたとしか思えない。 「ポラロイド写真の白枠に日付を書いて壁一面に貼っている」など、いくらでも、ポラロイドの特殊性を活かしつつ、ビジュアル的にも意味のある演出ができたはずだ。 ●本作は16ミリフィルムとデジタルを混ぜて撮られているが、その使い分けに明確な意図が無い。 本当は全てフィルムで撮りたかったが、制作費や照明の都合でデジタルも使ったとしか思えない。 やはりフィルムのザラついた粒子感を力強く感じ、モノクロデジタルはシャープすぎる印象になる。 特に人物の肌のグレートーンがノッペリしていて残念だ。 両方使うなら、使い道をはっきりさせるべきだったと思う。 ●セルフポートレイトが重要なモチーフ、フィックス(固定カメラ)のみのモノクロ映像、さらにストーリーやセリフもほとんど無いという、極めて「写真的な映画」なのだが、この点に自覚的だったのか?甚だ疑問に思う。 写真と映像の違い、もしくは同一性、この問題に取り組まずして『PORTRAIT』は描けないはずだ。 非常に難解なポイントではあるが、この問題に対して新人監督らしい新鮮な回答があると期待していただけに残念でしかたない。 ●主人公に関して、机にうつぶせたり、壁にもたれて歩いたり、「鬱屈してますよ」という説明的、短絡的な演出が目につく。 街を徘徊するシーンが多いのだが、その歩きかたを変えさせるだけで、微妙な心情の変化を表現できるのに、もったいない。 ●改善が必要なセリフが多い。 同級生から「こいつ中退したんだよなー!」 パーティーで初対面の男から「目標はあるのか?」 主人公が女に「こんな所にいちゃダメだ。」 など、数少ないセリフなのに練られていない。 ●裏社会やSM嬢に幻想を抱きすぎている。 このような人物が登場すると、いかにも「映画的」ではあるが、この物語上では、アウトサイダーな職業である必然性はなにも無い。 よくあることだが、アウトサイダーに対するある種の憧れで登場させているとしか思えない。 「映像詩」だから必然性や論理性が必要ないわけではない、アイディアやイメージは大事だが、それが何に起因するのかを深く考えることで、細部の演出に必然性や論理性が生まれてくるのだ。 「映像詩」という監督の目指す方向には、おおいに共感する。次回作に期待したい。

  • opt********

    4.0

    静寂と間、そして音楽

    映画の世界観をたっぷりと感じることができた。特に前半の主人公の青年の生活がリアルに綴られるところから、女性との出会いによって、物語が動き始める後半までのジリジリとした静寂、間が心地よかった。なんでもない日常、なんにもない日常をリアルに描写していた。 一番印象に残ったのは、エンドロールの音楽。劇中でも流れるメロディーが、モノクロの映像に染み込んでゆく感覚になった。主演の吉村界人は、出てきた瞬間から人を惹き付けるオーラがある。松本まりかは、相変わらず美しい。映画に、ムードや雰囲気を求めている方にはオススメできる作品だ。

  • BTNQ

    5.0

    雰囲気と音楽が傑出した青春映画

    新人俳優の吉村界人の初主演作。彼が演じる、死んだように生きる主人公。生きている唯一の証のように、そして自分がまだ生きていることを確認するかのように、自らのポートレートを撮り続ける彼が、松本まりかが演じるもう一人の主人公である女性と出会い少しずつ変わっていく…という内容。 特に何か特別なことが起こるわけでもなく、淡々と進んでいくストーリーがリアルです。また、主人公の二人が片目を塞いで映画を見る場面など、途中途中で寓話的なシーンが抑揚のないストーリーと対比するように差し込まれるのが印象的で、淡々とした物語にある種の緊張感を与えています。 甘酸っぱい青春の匂いを頭の中にイメージできるような素敵な雰囲気。そして、それに寄り添うように挿入され、エンディングでも流れる音楽がとても綺麗で、主演のお二人と共に映画の印象・イメージを決定付けていました。 この雰囲気と音楽を味わうだけでも☆5つの価値がありますよ。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
ポルトレ PORTRAIT

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日

ジャンル