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めぐり逢わせのお弁当
2014年8月9日公開

めぐり逢わせのお弁当

DABBA/THE LUNCHBOX

1052014年8月9日公開

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4.0

ジェンダーについて考える。

インドのヒューマンドラマ。 インド映画というと、とんでも展開とか、集団でのダンスというのが定番なのですが、この映画はごく普通のドラマとなっています。 制作がインド・フランスだからでしょうか。 夫に作ったはずのお手製のお弁当が、間違って見ず知らずの人に届いてしまう。 そこから生まれるひそやかな交流。 妻を亡くし、定年間近のしがない会社員と、夫に疎まれている主婦とのささやかでストイックな手紙の交換はいつしか二人を強いきずなで結ぶことになってしまいます。 もしかしたら、二人は結び付くのかもしれない、そんな予感を持たせつつも映画は明快な結末を見せずに終わります。 なかなかに余韻を感じさせる終わり方でした。 たとえ二人が結びつくことがなかったとしても、このささやかな交流は確かにあったこととして二人の仲に残るのであろうな、と幸せな思いを残してくれます。 この二人の他に、会社員の方には孤児だったという新入社員が絡み、主婦の方には寝たきりの夫を抱える母親と叔母が絡んで、インドの社会的な厳しさも垣間見せてくれます。 それにしても、インド女性の底知れない社会的地位の低さと身分制度の壁に暗澹たる思いになりました。 女性は夫の面倒を見ることを一生の仕事としなければならないのでしょうか、そんな重たい社会がのしかかってくるようです。 身分制度についていえば、弁当の配達員と会社員らの、交わることのない社会がそれを表しているようです。 ただ弁当を届けるだけの仕事をする人々というのはどのような人なのでしょうか。 冒頭に描かれる弁当配達のシーンは見事というよりも重苦しいほどです。 こんなに何度もいろいろな人の手を通して間違いなく弁当が届くというシステムの方が二人の出会いよりも驚きでした。 映画とは関係ありませんが、インドの女性のことを云々していましたが、日本だってジェンダーの問題は情けない限り。 先日(2021年)の選挙でも、ジェンダーのことを話題にするだけで、「そんなものは重要な問題じゃない。」と偉そうなことをぬかす男どもに不快感を覚えました。

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